2012年ザックジャパンのキャプテン長谷部誠がヴォルフスブルクで干され続けてきた事件はあまりにも有名だ。試合感の欠如から、長谷部は選手生命に関わるような不振を極めた。しかし今、そんな危機を脱した長谷部とザックジャパンは再び上昇カーブを描こうとしている。
最悪な事態
当時のヴォルフスブルクの監督フェリックス・マガトは、巨額の補強資金を費やして自分に服従する選手たちを買い集め、新しいチームを作り上げようと野心に燃えていた。その時、それまで長くヴォルフスブルクで重要な役割を担ってきた長谷部は、その構想から外されたのだ。
構想外の立場を受け入れた長谷部は、夢だったプレミアへの移籍など他クラブへの移籍を視野に入れるが、それが更に火に油を注ぎベンチ外の毎日が続くようになった。まさに選手生命に関わるような試合勘の欠如を経験していた。ザックジャパンでも、出場はもとより、次回からは招集もされないのではなかろうか?というプレーぶりだった時期があった。
本田, 香川, 長友らのことならまだしも、長谷部に関することがザックジャパン最悪の出来事?と思われる方も多いかもしれない。しかし、私には忘れられない長谷部のシュートがある。それは、ザッケローニの初采配で
アルゼンチンを破った試合のシュートだ。フィニッシュこそこぼれ球を岡崎が決めたが、あのミドルシュートは絶対にゴールキーパーがキャッチできない威力を持っていた。私は、長谷部のミドルを高確率な得点パターンとしてもっと多用すべきだと思っている。そして、こぼれたボールに対して、素晴らしいポジショニングで思い切りのいい飛び込みを見せる岡崎とのコンビは、相手への大きな驚異となる筈だ。しかし、長谷部の不調により、その得点パタンを失うことになるのだ。
更に、長谷部はザックジャパンのキャプテンだ。チーム士気も考えれば、長谷部の不調はザックジャパン最悪な事態と言える。
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