【戦前の展望】
アジア最終予選は3次予選A~E組の各上位2チーム、トータル10チームが5チームづつのAとBの組に分かれてホーム&アウェーで争われる。そして、AとB組の上位2チーム(計4チーム)がワールドカップ出場を決め、A組とB組の3位チームはホーム&アウェイでアジアプレイオフを戦い、そこを勝ち上がると南米5位チームとの大陸間プレーオフのホーム&アウェーが待ち受けている。
我ザックジャパンはB組に入り、オーストラリア, イラク, ヨルダン, オマーンがいる。各チームの要注意人物を紹介する動画がみつかりましたのでまずは見てみたい。
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オマーンはなんと言っても、プレミア一部・ウィガンの正ゴールキーパーのアル・ハブシのチームだ。現にオマーンは、最終予選進出10チーム中最少の計3得点で3次予選を突破している。正確なポジショニングと高い身体能力で、にゅっと伸びるイメージさえ感じる片腕止めのシーンが目立つ。オマーンに先制を許すようだと、アジアNo.1GKのアル・ハブシが大きく立ちふさがることになる。
ヨルダンもアル・ヴィーダという素晴らしいゴールキーパーを擁している。3次予選ではイラク中国に計7失点を喫したものの、攻守にバランスが良く、得点力もあるチームで、中国との接戦を制した。
イラクはユーニス・マフムードを中心とした攻撃のチームだ。アル・ワラク(カタール)所属で、カタールリーグ得点王2回、07アジアカップ得点王・MVPだ。得点の嗅覚に優れ、大型選手でありながら足元もある。イラクは3次予選を14得点で1位突破している。但し、国内情勢の不安から自国でのホームゲームが開催できないことが懸念される。まぁ、これを考慮しても、オーストラリアに次ぐライバルだろう。
日本代表の最大のライバルはオーストラリアだろう。最終予選の組み合わせ抽選時ではアジアTOPのFIFAランキングであり、第1シード(日本は第3シード)となっている。194cmと高く、足元の柔らかいケネディと、10番を背負い、オズの魔法使いの異名で左足のテクニシャンかつ強烈なシュートをもつキューエル、178cmながら驚く跳躍力でヘディングが強いケーヒルとタレントが揃っている。GKもプレミアでレギュラーのシュワルツァーがいてゴールをこじ開けるのに苦労させられる。高さとフィジカルで勝り、こぼれ球の対応にも自信を持つオーストラリアだけに、日本に対して放り込みサッカーをしかけるのは自明だ。いかに日本のディフェンス陣が踏ん張り、攻撃陣がパスサッカーで崩すかが鍵となる。
【アジア最終予選終了順位表】
順位 | チーム | 勝点 | 試合 | 勝ち | 分け | 負け | 得点 | 失点 | 得失差 |
1 | 日本 | 17 | 8 | 5 | 2 | 1 | 16 | 5 | +11 |
2 | オーストラリア | 13 | 8 | 3 | 4 | 1 | 12 | 7 | +5 |
3 | ヨルダン | 10 | 8 | 3 | 1 | 4 | 7 | 16 | -9 |
4 | オマーン | 9 | 8 | 2 | 3 | 3 | 7 | 10 | -3 |
5 | イラク | 5 | 8 | 1 | 2 | 5 | 4 | 8 | -4 |
【日程・これまでの結果】
日程 | ホームチーム | スコア | アウェーチーム |
第10節(2013年6月18日) | ヨルダン | 1-0 | オマーン |
オーストラリア | 1-0 | イラク | |
第9節(2013年6月11日) | イラク | 0-1 | 日本 |
オーストラリア | 4-0 | ヨルダン | |
第8節(2013年6月4日) | 日本 | 1-1 | オーストラリア |
オマーン | 1-0 | イラク | |
第7節(2013年3月26日) | オーストラリア | 2-2 | オマーン |
ヨルダン | 2-1 | 日本 | |
第6節(2012年11月14日) | イラク | 1-0 | ヨルダン |
オマーン | 1-2 | 日本 | |
第5節(2012年10月16日) | オマーン | 2-1 | ヨルダン |
イラク | 1-2 | オーストラリア | |
第4節(2012年9月11日) | 日本 | 1-0 | イラク |
ヨルダン | 2-1 | オーストラリア | |
第3節(2012年6月12日) | オーストラリア | 1-1 | 日本 |
イラク | 1-1 | オマーン | |
第2節(2012年6月8日) | オマーン | 0-0 | オーストラリア |
日本 | 6-0 | ヨルダン | |
第1節(2012年6月3日) | ヨルダン | 1-1 | イラク |
日本 | 3-0 | オマーン |
【ここまでの日本代表の総括】
第1節のザックジャパンホームのオマーン戦については、スコアを見れば3-0と安全だったように見えるが、私は危惧感を持たざるを得ない。と言うのは、1点目、2点目が微妙にオフサイド臭かったからだ。1-0の可能性があった試合だ。アル・ハブシのファインセーブで再三のチャンスを潰していたし、アウェーを考えるとオマーンに脅威を感じる。
第2節は6-0とホームゲームであったことを差し引いても言うことが無い。本田曰く「叩き潰す」王道の試合だった。
アウェーのオーストラリア戦は驚くべきことにゲームを作ったのが選手ではなく審判だった。日本代表は、荒れたピッチに苦しみペースを握れないまま、オーストラリアの放り込み戦術に晒され危険な時間が続いたが、徐々にペースをつかむと、オーストラリアの選手がレッドカード、一人多くなった日本は、本田が自らのショートコーナーを受けた長谷部からのリターンをエンドライン付近で受けると、更にゴール方面にドリブルしながらの折り返し、それを栗原が押し込み先制。しかし、その後、不可解な判定により内田がイエローを受け更にこれがPKとなり1-1となる。最終的には栗原もレッドを受け10人どうしの試合となった。アウェーの洗礼というか、どちらが得だったか判らない試合だった。日本にとっては、勝ち点3を落とした試合という感もあるが、ライバルオーストラリアとのアウェーで勝ち点を分け合ったこと自体は悪くはない。
ホームのイラク戦は敵監督ジーコの総入れ替えに近いメンバー入れ替えと本田, 遠藤へのマンマークといった奇策にはまり混乱する。しかし日本代表は洗練されていた。スローインにオフサイドは無しのルールを利用し、駒野のスローインにエンドライン近くで追いついた岡崎が左足アウトサイドでダイレクトに折り返すと、フリーで飛び込んだ前田が決勝点を挙げる。スコアこそ1-0だったが、「練習どおり」というセリフをインダビューで聞いた瞬間、「日本強し!」と思った。
第6節のアウェーオマーン戦では、35°を超える環境の中、結果は2-1と勝利したものの、ザックジャパンは後半早々に足が止まるという窮地を経験した。中東アウェーの難しさを痛感させられる試合だった。
【ホーム&アウェーの戦い方ができているか(第5節終了時)】
ホーム&アウェーの戦い方の鉄則と言えば、「ホームでは勝つ」「アウェーでは負けない」を満たすことだと言われている。ではこのBグループでそれを満足しているチームはあるのだろうか?実はそれは第5節終了時点で日本だけだ。オーストラリアはアウェーのヨルダン戦に負けているし、尚且つ、ホームで日本に勝てていない。イラクはホームでオーストラリアに敗れている。当初から、日本, オーストラリア, イラクが二つの椅子を争うと言われている中で、日本は良い状況にあると言える。最後まで、この鉄則を守れば最低でも勝ち点は16に積みあがる。その中には現在勝ち点5のオーストラリアの敗戦と、オマーンの引分けも含まれるので、オーストラリアは最大でも勝ち点は14だし、オマーンは15に留まる。是非ホーム&アウェーの鉄則を守って欲しい。
【ワールドカップ切符獲得に大手(第6節終了時)】
第7節のヨルダン戦で日本が勝ち点3を獲得すると、日本を上回る可能性があるのはオーストラリアだけになる。それにより、Bグループの2位以上が確定し、自力でワールドカップ出場が決まる。次もアウェーであるが、今後のチーム造りを有利に進めるためにも勝っておきたい一戦だ。
【第7節終了時】
第6節の勝利により、ザックジャパンはワールドカップの出場に王手をかけて第7節の3月26日を迎えた。
同日、先に終了しているオーストラリア2-2オマーンの結果から、ワールドカップ出場条件は引き分け以上となりヨルダンとの決戦を迎えた。
前半、ザックジャパンはクロスからの絶妙な前田の飛び出しのヘッドも、クロスバーに嫌われるなど、得点に至らない。一方、ヨルダンは9番の選手の個によりザックジャパンをかき回してきた。何度も右サイドを突破され、危険な場面が訪れた。そして前半ロスタイム、右CKからのヘッドでヨルダンに先制を許してしまった。ザックジャパンが最終予選で、初めてビハインドを負った瞬間だった。
後半、ザックジャパンは1点のビハインドを取る戻すべく、前がかりになっていた。その一瞬の隙を突かれ、後半15分、ハイルの右サイドから中に入っていくドリブルに吉田のディフェンス及ばず突破を許してしまい、0-2となった。ファールで止めた方が良い局面だったが、アウェーという雰囲気が、吉田にそうさせなかった。
しかし、そこからザックジャパンは反撃した。後半24分、ペナルティエリア前からの清武の浮き球のパスに香川が抜け出し、右足でゴール。その直後には、内田がPKを獲得したが、遠藤が蹴ったPKは相手GKに阻まれてしまった。『コロコロPK』で知られた、遠藤のPKは、私の知る限り外すことが目撃されているのはたったの1度限りだ。私としては、『同点間違いなし』と、ワールドカップ出場を確信した瞬間だっただけに、ショッキングな出来事だった。
そして試合はそのまま1-2で終了し、ザックジャパンのワールドカップ出場決定は第8節以降に持ち越しとなった。第8節の引き分け以上で、ワールドカップ出場が決まる。
今後のワールドカップ出場の可能性については、ザックジャパンのここだけの話で言及しているので、そちらを参照されたい。
【第8節終了時】
2013年6月4日、引き分け以上でワールドカップ出場決定の条件もと、ザックジャパンは埼玉スタジアムでオーストラリアと対戦した。ザックジャパンは試合を支配しながらスコアレスで終わるかと思われた後半36分、オーストラリアによもやの先制を許し、厳しい状況となった。しかし迎えたロスタイム、相手のハンドで得たPKを本田がゴール真ん中に決め、1-1となった。そのまま試合は終了し、ザックジャパンのワールドカップ2014の出場が決定した。
日本時間22:00からマスカットでおこなわれたオマーンVSイラクは、1-0でホームのオマーンが勝った。この結果により、ザックジャパンの勝ち点14に及ぶチームな無くなり、ザックジャパンのB組1位通過が決定した。
4チームによる残り一つの出場権争いは混戦の度を増した。残り2試合のヨルダン戦、イラク戦がホームでおこなわれるオーストラリアが一歩有利かとも思えるが、その何れかに不覚を取るようだとオーストラリアも予選落ちの可能性が高まってしまう。オーストラリアにとって最もライバルとなるのはヨルダンと思われることから、次節のオーストラリアVSヨルダンの結果が注目される。オマーンは、他国の対戦が引き分けに終わることと、アウェーのヨルダン戦の勝利により、予選突破の可能性を残す。イラクは日本(ホーム)とオーストラリア戦(アウェー)を残していることから、一歩後退した。
【第9節終了】
オーストラリアVSヨルダンの戦いは、6月11日オーストラリアのホームでおこなわれ、4-0でオーストラリアが勝利した。この結果でオーストラリアはワールドカップ出場に大きく前進、オーストラリアの得失点差+4に対し、ヨルダンは得失点差-10となったことから、仮に最終節で勝ち点上追いついても、Bグループ2位以内はほぼ絶望となった。
イラクVS日本は、イラクのホームでおこなわれ、0-1で日本代表が勝利し、日本代表のワールドカップ最終戦を飾った。日本代表は勝ち点を17に伸ばし、イラクはワールドカップの予選敗退が決まった。
【第10節終了】
6月18日、ホームで戦ったオーストラリアがイラクを1-0で下し、B組2位でのワールドカップ2014出場を決めた。遅れて行われるヨルダンVSオマーンでは、1-0でホームのヨルダンが勝ちアジアプレーオフに進出した。
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