宮市よここが勝負だ!

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2010年12月18日、宮市のアーセナルへの加入が正式に発表された。若干18歳だった青年は、当初、英国就労ビザの問題からオランダ最上位リーグであるエールディヴィジのフェイエノールトにレンタルされ、その爆発的な加速とスピードで一躍世界の注目を浴びることになった。
本人はもとより、宮市がワールドカップや、チャンピオンズリーグのピッチに立つことを夢見るファンは多い。その中で、宮市は如何に一つ一つの階段を登っているのだろうか?
そしてどこまで登り詰めることができるのだろうか?
非常におおまかかもしれないが、その階段を私は次のように捉えている。
第1段目の階段:
オランダ・フェイエノールトでのレギュラー獲得と実績確保
第2段目の階段:
プレミアリーグのレンタル先でのレギュラー定着と実績確保
第3段目の階段:
アーセナルおよびザックジャパンに定着レギュラー確保
第3段目をクリアできると、第4段目も視野に入ってくる。それはチャンピオンズリーグであったり、ワールドカップの優勝かもしれない。



宮市のプロでの実績

2011年1月-6月・フェイエノールト

2011年2月6日、フィテッセ戦(エールディヴィジ第22節)にて18歳1カ月23日での公式戦デビュー(先発フル出場)を果たした。2月12日、ヘラクレス・アルメロ戦(第23節)にてホーム戦デビューを飾り、プロ初得点となる先制弾を左足で豪快に決める。2月27日、FCフローニンゲン戦(第25節)でプロ初アシストを記録。4月17日、ヴィレムII戦(第31節)では2得点2アシストを挙げる活躍でチームの大勝に貢献した。
半年の所属期間で出場12試合、3得点をあげた。オランダでは「スシキング」や愛称のリオとロナウジーニョをかけて「リオジーニョ」と呼ばれたことがその活躍ぶり(動画参照)を裏付けている。

2011年7月-12月・アーセナル

ベンゲル監督の努力により、英国就労ビザ獲得が成った宮市は、いよいよイングランドプレミアリーグで活躍する準備ができた。一時的にアーセナルに戻り公式戦デビューを果たすが、2011年11月にリザーブリーグでの負傷による長期離脱が影響し、出場はカップ戦の2試合に留まった。

2012年1月-6月・ボルトン・ワンダラーズFC

前出の長期離脱もあってか、宮市をアーセナルに留まらせる判断を見送ったアーセナルは、宮市をボルトン・ワンダラーズFCに期限付きレンタルした。2月11日、第25節ウィガン戦で後半開始から途中出場し、プレミアリーグ初出場を果たした。2月18日、FAカップ5回戦ミルウォールでは初先発で移籍後初得点(動画参照)となる先制点を決めた。3月10日、第28節QPR戦では決勝点となる移籍後初アシストを決めた。その後、レギュラーに定着するがチームは2部に降格し、自身も終盤戦は右肩の怪我の影響もあり本領を発揮できなかった。但し、この期間の活躍をザッケローニはある程度評価し、5月25日のアゼルバイジャンとの親善試合で代表デビューを果たした。
ボルトン在籍時の出場はリーグ戦(12)とカップ戦(2)の合計14試合で、得点はカップ戦の1だ。


2012年8月-現在・ウィガン・アスレティックFC

現在のところフル出場を果たしたのは、カップ戦の1試合のみである。現在までのウィガンでの唯一の結果はカップ戦のノッティンガムフォレストとの試合での1アシスト(動画参照)だ。プレミアリーグでは4試合に出場しているが、いずれも15分以内の時間しか与えられず、結果が出ていない。また、11月17日のリバプール戦を挟むように故障しており、現在は4~6週間かかると見られている長期離脱中で、宮市の評価急落の危機とも思える報道も見られる。


宮市のいる現在位置

宮市の成長過程を階段に例えた訳だが、それを再度書くと、
第1段目の階段:オランダ・フェイエノールトでのレギュラー獲得と実績確保
第2段目の階段:プレミアリーグのレンタル先でのレギュラー定着と実績確保
第3段目の階段:アーセナルおよびザックジャパンに定着レギュラー確保
だ。
では、現在宮市はその階段のどこにいるのだろうか?
まず、第1段は登りきっていると言える。オランダで「リオジーニョ」と呼ばれたり、結果として現在プレミアリーグのプレーヤーであることからそれは明らかである。
第2段目はどうだろうか?ボルトンではレギュラーを確保し、MOMに選ばれた試合もあるなど、良い評価も得ている。しかし、宮市のポジションを考えた時には、やはり得点に拘りたい。半年で1得点で良いのだろうか?私ならばNoと言う。更にチームが降格したこともおおいなるマイナスポイントだ。宮市に期待されていたことは、ボルトンの残留の主役になることだった筈だからだ。そして、引き続きウィガンへのレンタルとなったが、このことを私は第2段目の階段を卒業するための追試と見ている。そしてその追試も今のところは落第方向に向かっている。
2012年は既に負傷のために終わっている宮市にとって、2013年前半までのウィガンでの活躍が本当の勝負になる。宮市の現在地はここであり、しかも崖っぷちである。結果が悪ければ第1段目に戻されるだろう。報道されているように、それは、アーセナルからの戦力外通告を意味するかもしれない。

ウィガンのマルティネス監督が宮市を絶賛しつつ使わない理由

ウィガンは、強豪ひしめくプレミアリーグにあっては、雀の涙ほどの予算しかない弱小クラブと言える。そこで普通に思いつくアイデアは、高く売れる選手を金満強豪チームに売って、有望な若い選手を安く買うことにより、資金面と戦力面のバランスを保つことだ。従って、モーゼスを売って宮市を買う(しかもレンタル)というプランが最初にありきだっただろうと思う。マルティネス監督がチームで実績を残していない宮市を絶賛するのは、自分のプランで手に入れた選手であるが故に、そのプランが正しいことを印象づける効果を狙ったものだからだ。
では、なぜ使わないかというと、端的に言えば、全ての戦いにおいて1部残留争いで厳しい位置に置かれている現在のウィガンにとって、伸び代を期待する選手起用はリスキーであり、キャリアのピークにある中堅やベテランが主体のチームとなるからだ。
また、マルティネス監督は、選手をじっくり育てるタイプであるらしい。前出のモーゼスも初先発したのが移籍後1ヶ月半後のことであり、その前は、今の宮市の起用方法と同じく、後半の交代出場を繰り返していたようだ。FWディサントも似たケースで、加入1年目は9試合の先発に留まったが、2年目に先発機会を24試合に増やした。マルティネス監督が自らのプランを成就させるためには、宮市にも徐々に経験を積ませる筈だ。マルティネス監督は、アーセナルのベンゲル監督に通じるパス&ムーブの哲学を持っている。マルティネス監督の元で宮市が覚醒すれば、宮市がアーセナルに定着するのは明らかだろう。それは、チャンピオンリーグにもワールドカップにも繋がる道だと思う。
最後に、「怪我だけはこれ以上してくれるな」とただただ祈りたい。


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