2012年ザックジャパン総括

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己を省みて功をなす

2012年の日程が終了し、FIFAワールドカップ2014アジア最終予選では5試合を消化し、4勝1分の勝ち点13と、2位オーストラリアでさえも、消化が1試合少ないとは言え勝ち点5であり、その他は消化試合数がザックジャパンと同じ5で、勝ち点が4~5と、圧倒的な独走状態である。
アジアでは、オーストラリアを始めとして、韓国、イラン、ウズベキスタン、イラクなどが、ワールドカップ出場に向けて余談を許せない状況にある中で、既にザックジャパンだけは世界に視線を投じている。
そしてこのアジアでの圧勝は、思わぬ敗戦から始まっているのだ。

ホームでウズベキスタンに敗戦

3月29日、ホーム(豊田スタジアム)で行われたFIFAワールドカップ2014アジア三次予選第六節vsウズベキスタンでは、本田を負傷回復途上で欠いたものの、他はベストメンバーで望みながら、主力選手を大きく欠いたウズベキスタンに敗れるという、重い空気に支配される2012年のスタートとなったのだ。



2012年では、実は、この敗戦が最もザックジャパンを育てたのかもしれないと思う。
「この敗戦を結果として受け止めなければならない。三次予選で2敗してしまったということは、自分たちもまだまだという弱さを感じている。自分たちが慢心していたわけではない。でも、アジアは甘くないというのをもう一度突きつけられた感じもする」
とキャプテン長谷部は省みている。
この日のザックジャパンは、本田不在のチームを模索中でることを大きく露呈し、バタバタと落ち着かず、全体が間延びしバランスを失ってしまっていた。

異例の長期合宿を実施

三次予選でホームのウズベキスタン戦に敗れたことにより、このままぶっつけ本番で最終予選に突入することへの危機感から、5月23日の親善試合vsアゼルバイジャンの準備に入る5月20日から、FIFAワールドカップ2014アジア最終予選の6月三連戦(6月3日vsオマーン, 6月8日vsヨルダン, 6月12日vsオーストラリア)終了時までの長期合宿を実施した。

この期間は非常に大きかった。万全なコンディションのみでなく、他国にない選手間の深い戦術理解と信頼関係構築に役立ち、この合宿がまさに2012年の好結果を支えた。と私は思っている。
そして、この合宿から本田が加わっており、今から思えばザックジャパンが加速を開始する舞台は揃っていた。

アジアを勝ちきる勝負強さ

もはや、ザックジャパンは、アジアのチームを相手にしたホームでの勝利を改めて賞賛するに値しないチームになったと思っている。そこで、FIFAワールドカップ2014アジア最終予選のアウェー戦を拾うと、vsオーストラリアvsオマーンがある。
vsオーストラリアについては、1-1だった訳だが、審判が試合を造ってしまったところがあり、勝敗についてはあまり言う価値がないだろう。しかし、試合終了直後に、ケーヒルが本田のところに駆け寄り、真っ先にユニホーム交換を求める姿から、ザックジャパンがオーストラリアの選手からも大きくリスペクトされる存在に成長していることは見て取ることができた。
vsオマーンについては、アジア最終予選オマーン戦を占うで公開したように、私は苦戦を強いられる試合だとふんでいた。
オマーンの熱さが主な心配要因だったが、準備時間の少なさも心配だった。しかし、準備時間の少なさについては、5月の合宿が非常に生きており、克服できたのではないかと思う。
熱さにより、消耗激しい戦いとなったが、選手達は、ザッケローニの選手交代から、各々へのメッセージを的確に受け取り勝ち切った。2回の選手交代により、長友がサイドハーフの位置に上がり、細貝がINし、遠藤がトップ下となった。そのとき、細貝は「まずは守備で引き締めることだけを考えていた」という、長友は「サイドハーフになったからには点に絡んでやる!」、岡崎も長友と遠藤が高い位置に上がったからには、勝ちに行け!というメッセージだと捉えていたと告白している。つまり、攻守のバランスを整えろというザッケローニのメッセージを、各選手が自分の役割として的確に理解し、後半44分に勝ち越しゴールを決め、勝ちきった試合だ。アジアにおけるザックジャパンは実に粘り強く、たくましく見えた。

成果が大きかった欧州遠征

まず、10月12日に完全アウェーでフランス代表との欧州遠征第1戦をおこなった。この試合では、本田不在もあり、大きく押し込まれる展開に終始した。フランスのようなスピードのある相手への対応への課題を残したが、ザックジャパンは終盤鮮やかなカウンターを香川が決め、1-0で勝利した。終盤のスタミナとスピードは強豪相手にも通じることがわかった。
10月16日には、ポーランドでブラジル代表との欧州遠征第2戦をおこなった。この試合は、ザックジャパンがまっこうからのパス回しの攻撃でしかける展開となったが、結果は0-4と大敗した。フランスと比べると、ブラジルはボールは持たせてくれたが、ザックジャパンはブラジルの守備を崩すには至らず、ボールを奪われると、ブラジルのスピードは一気に上がり、守備がついていけなかった。ブラジルのスピード・精度の高いパス・高い決定力のシュートにより世界との差を思い知らされた。
この試合の後で、カカは「日本の戦術かなり熟成」と言った。ネイマールは「簡単なことなど何もなかった」と言っている。リップサービスだとわかるだけにファンとしても非常に悔しい思いがあった。FIFAコンフェデレションズカップ2013では、開幕戦でブラジルと当たるが、ロナウドは「日本は最も簡単な相手」とコメントしている。・・・ファンも含め、ザックジャパンの関係者ならば看過できない発言だろう。
アジアでは、ウズベキスタン戦の敗戦を省みて強くなったザックジャパン。世界を視野に入れている以上、この0-4という大敗を大きなバネにしない手は無い。


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