ザックジャパンのアキレス腱【Vol2】

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以前、3月26日のヨルダン戦を前にして、『ザックジャパンのアキレス腱』として、本田、長友、内田の負傷を取り上げ、『選手の怪我だけはどうにもならず、どんなチームにとっても致命傷となりかねない』という論調の記事を公開した。

内田は無事ヨルダン戦に完全復帰を果たしたものの、本田、長友は欠場し、ヨルダンにはよもやの1-2と敗戦を喫し、大手をかけているワールドカップの出場決定を6月4日のオーストラリア戦に持ち越した。

復帰を遂げた内田は、「こういう結果になって(本田、長友の欠場が敗因と)言われても仕方ない。勝ってないわけだし。それが本当なら、楽なんだろうけど…」とコメントしたようだ。
その裏には、ザッケローニの選手固定への警笛とともに、残された時間の中での課題の多さが示されているような気がしてならない。

この記事の一つの目的は、本田、長友が不在の場合のザックジャパンの戦いぶりを、3月26日のヨルダン戦から振り返り、もしもの継続欠場に備える必要性を炙り出すことだ。
もう一つは、錯綜している本田、長友の負傷の回復状況について、整理してみることだ。



ヨルダン戦では違うザックジャパンを強行したが
ヨルダン戦に先立つ強化試合のカナダ戦が3月22日におこなわれたが、ザッケローニはその際に香川のトップ下と中村憲剛のトップ下を45分づつ試した。
カナダ戦を見た印象では、中村憲剛のトップ下の場合には、本田トップ下時と同様に展開力があり、サイド攻撃を引き出していた。香川のトップ下については、見るまでもなく香川のこれまでのクラブでの実績からポテンシャルは高いのだが、香川の前に確固とした起点を作らないと、なかなか前を向いてプレーができず、一朝一夕に機能しなかったという印象があった。このことから、勝つことが重要な位置づけの試合であれば、中村憲剛のトップ下が妥当だとする考えが多かった筈だ。
しかし、ヨルダン戦の蓋を開ければ、ザッケローニは香川をトップ下とし、それは試合終了まで代わることがなかった。それは、ザッケローニの焦りなのか、信念だったのかはわからないが、結果的にザックジャパンの攻撃は中央に偏り、辛うじて清武の高い技術のヒールパスと、香川の一瞬の抜け出しからの1点に留まった。
つまり、香川のトップ下は、今後のオプションとして、あるいは近い将来のザックジャパンの姿として、あるべきものではあったが、一朝一夕ではならない温めていくべきものであると感じた。ドルトムントの時の香川を引き出せば、どうなるか?答えは明らかだろう。香川はマンUに今季移籍した。しかし、ここまでのファーガソンの香川評は、『(ファンタスティックな選手であるが)来シーズンはもっと良くなる』だ。これは、ドルトムントの時のように、すぐに『はまる』のは異例中の異例だということを示している。
ヨルダン戦では、サイド攻撃が少なく、SBは守備に追われたが、ひどいでこぼこなピッチであることも手伝って、長友不在により1対1の弱さを露呈し、2点目の失点に関与している。

要は、ドーハからアンマンまで行われた1週間程度の合宿では、チームを変貌させるには無理があり、いくら強がったところで、本田、長友の穴は大きかったと言うのが正しいだろう。
そして、今後は6月4日のワールドカップ予選のオーストラリア戦、6月11日の同イラク戦、6月15日からのコンフェデレションズカップと続き、事前試合としては、5月30日にブルガリア戦がある。その一連の長期合宿をどう活用するかに興味が集中する。

本田、長友が継続して欠場しないという保証もない。その場合には、ザックジャパンに厚い雲が垂れ篭めるかもしれない。しかし、そこを乗り越えてザックジャパンが飛躍するかもしれない。という、ある意味スペクタクルな展開が待ち受けている。

本田の怪我の状況
2月6日のラトビア戦以降、2ヶ月に及ぶ欠場中の本田は、現在、日本サッカー協会の目の届く場所にいる。その中で、トレナー同行でリハビリに励んでおり、屋外でのランニングを開始している状況だと言う。日本サッカー協会の原博実技術委員長によれば、『回復は順調』とのことだ。軽傷としていた中での2ヶ月にも及ぶ欠場に、『順調』の意味がよくわかなない部分もあるが、それは、6月4日のオーストラリア戦と、その事前マッチに間に合いそうだという意味だろう。

長友の怪我の状況
『5月19日のセリエAシーズン終了後に、左膝の手術をするだろう』とする報道がなされていた。もし、手術するならば、5月30日~6月の代表合流は不可能だろう。しかし、所属事務所とインテルのストラマッチョーニ監督は『手術が必要とは聞いていない』とこれを否定している。7日のセリエA・アタランタ戦に長友は招集された。招集が22名だったためにベンチ入りも確定した。『長友にリスクを負わせるつもりはない』とするチームが、手術が必要な状態の選手を、本当にベンチに入れたりするするだろうか?
【参照】インテル公式日本語サイト

ワールドカップにフォーカスすれば、不可避的な選手の怪我があると想定せねばならないいじょう、ザックジャパンは選手固定のつけを払わねばならぬ岐路にいることは間違いなさそうだ。
今、そこを飛躍に繋げることができるかが問われている。


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