ザッケローニが森本貴幸に求めたもの

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代表復帰への道筋

森本貴幸

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森本は、ザッケローニが代表を初采配した、2010年10月8日のアルゼンチン戦で先発して以来、ザックジャパンの招集から遠ざかっている。

その後クラブでは、不調・怪我・出場機会減少の状態が続いた。そして2013年1月16日、買い取りオプション付きの期限付きレンタルでカターニアからUAEリーグのアル・ナスルに移籍した。
契約は13年6月で期限切れを迎えるが、基本的には買い取りを前提とすることでカターニアは合意しているため、カターニアへの復帰は、もうないと考えるのが自然だろう。

今のザックジャパンの招集については、世界のトップリーグでの活躍が重要視される。Jリーグ所属選手では、各チームのキーマンの中から選出されているのが実態で、海外トップリーグのクラブからリストアップされているようなレベルの選手ばかりだ。



このことから、まず、アル・ナスル所属選手であるうちは、ザッケローニが森本を招集することはないだろう。ブランド志向という訳でもないだろうが、例えば、森本がアル・ナスルのデビュー戦で見せた1得点3アシストは、(最高のデビューに心情的には心からおめでとうと言いたいが、)客観的に見れば評価に値しないレベルの試合の中での結果だからだ。
ワールドカップの上位進出を目指すからには、海外トップリーグでの活躍が招集の基準になることは、代表の監督であれば至って合理的だ。

以上のように考えていくと、Jリーグ復帰の意思を持たない森本にとって、アル・ナスルにおけるステップ位置は、海外トップリーグへの復帰を目指すところにあると言えるだろう。そして、海外トップリーグでの活躍こそが、代表復帰に繋がる道だろう。

ザッケローニが森本に一度しかチャンスを与えなかった理由

先にも述べたように、ザッケローニは日本代表を初采配したアルゼンチン戦で森本を先発させた。森本は、セリエAの2008-2009年シーズンに、23試合出場で7ゴールを記録し、飛躍した。その後は代表に選出されるも代表での目立った活躍はなかったが、ザッケローニとすれば、森本の年齢と、2008-2009年シーズンの活躍を考慮し、成長枠としての采配だっただろう。
しかし、その試合の森本の内容は、俗に言えば完全に「空気」だった。本来のプレースタイルである、裏を取る動きやゴールへの嗅覚を出せずに終わっただけではなく、同じ持ち味の岡崎が決勝点をあげるなど、森本の存在価値が不明な内容だった。
更に、交代出場の前田がドリブルで局面を打開するプレーを見せるなど、ザッケローニがワントップに求めるプレースタイルを前田に見出す結果となった。
そして、それ以降、私の持つデータの中に限れば、森本の代表招集はないのではなかろうか。

森本は古典的なFWスタイル

正直言って、森本はシュート精度が高いわけでも、ドリブルで相手を抜き去るわけでも、強烈なシュートが打てるわけでも、パスセンスに優れているわけでもない。現代サッカーで求められる。混んだスペースで仕事をする能力は見劣りする。
一瞬のひらめきやポジショニングで得点を挙げるタイプの選手なので、近くで仕事をする選手がいないと、どうしても孤立してしまう。つまり、現状の森本は、ツートップでないとなかなか生きてこない選手だと言える。現に、2008-2009年シーズンに森本が活躍した際には、ツートップの一角としてひたすらDFの裏を狙う戦術だった。

森本の二つの選択肢

現在のザックジャパンの主要フォーメーションは4-2-3-1だ。そこにはワントップとしての能力が求められる。もう一つは、森本自体が高い能力を示せば、3-4-1-2などへの移行も有りうる。

ワントップとしての代表での活躍を目指すなら

ザッケローニも近代サッカーをベースにした戦術をとる監督だ。当然、ワントップには混んだスペースで仕事をする能力を求める。ドリブルで相手を抜き去り、精度が高く強烈なシュートを打つ。そこのところを磨きなおすことが必要だろう。

「ツートップにしてでも森本を使うべき」という方向性にするなら

「ツートップにしてでも森本を使うべき」とするには、圧倒的な得点力を示す。の、一言に尽きる。アル・ナスルの監督は、2008-2009年シーズンに森本が輝いていた時の恩師だ。そのために、森本を最大限に活かす戦術をとっていくだろう。まずはUAEで圧倒的な得点をあげてみせることが必要だ。
そして、世界のトップリーグに復帰後にも、継続的に得点を続けていく必要がある。

総論

森本と言えば、15歳10ヶ月6日でJリーグ公式戦デビュー、15歳11カ月28日でのJリーグ初得点、セリエA出場・ゴール日本人最年少記録保持者だ。今思えば、古典的サッカーを手本として早熟を実現してきた背景がある。
その森本が近代サッカーに対応していくのか、古典的サッカーを更に極めていくのかの選択に迫られている。


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