ザックジャパンは5月30日ブルガリア戦で何を試すのか

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6月4日、引き分け以上でワールドカップ2014の出場が決まるワールドカップアジア最終予選オーストラリア戦(埼玉スタジアム)を控えたザックジャパンは、5月30日に豊田スタジアムでブルガリア代表との前哨戦をおこなう。

3月26日のヨルダン戦で、ワールドカップ出場権の決定を逃しているザックジャパンだけに、ホーム開催のオーストラリア戦でのワールドカップ出場決定は必須命題となる。

その中で、オーストラリア戦に先立つブルガリア代表との国際親善試合は、何を試し、どうオーストラリア戦に生かしていくのかとの興味が持たれる一戦となる。

ブルガリア戦のおこなわれる5月30日時点で、本田圭佑、岡崎慎司、酒井高徳の3名は6月1日におこなわれる所属クラブの試合があるためにザックジャパンに合流できない。この3名の合流は、オーストラリア戦前日の6月3日となる。
更に、本田については、5月12日のロシア・プレミアリーグでの右足大腿違和感の負傷からの回復過程にあり、5月26日のリーグ最終戦までを欠場している。6月1日のロシア杯決勝で復帰するものと思われているが、6月4日のコンディションへの不安が拭えない状況である。
このような険しい条件を含む中で、ザックジャパンはいかに6月4日に照準を合わせ、ブルガリアとの親善試合を活用していくのかを考えてみる。



本田のフィジカルコンディションを憂慮しつつも本田復帰を想定
6月4日に、本田復帰の可能性がある以上、ザッケローニの構想は本田のトップ下であり、香川は左MFだろう。長友の活躍も期待できる状況となりつつある今、余計に本田、香川、長友のトライアングルの威力を必要とするからだ。司令塔タイプのトップ下本田は、左サイドを駆け上がる長友へのスルーパスを供給し、中に切れ込んだ香川がパスを引き出し、決定的な仕事をするシーンは容易に想像がつく。香川へのマークが険しければ、長友はクロスの選択肢ももつ。更に、まちがいなく、右サイドを攻め込まれる相手の守備は左サイドがおろそかになることにより、ザックジャパンの右サイドからのクロス攻撃も有効になる。

ブルガリア戦は6月4日の本田トップ下を前提とした布陣を予想
本田と香川が同時出場する試合で、香川がトップ下というようなチームへのインパクトが大きい変更は、少なくとも6月4日までは起きないだろう。それを裏付けるがごとく、27日の合宿の練習では、香川とともに主力組でプレーした東がトップ下を務めている。

ブルガリア戦の布陣を予想すると、次のようになる。

FW:ハーフナー・マイク(前田遼一)
OMF:香川真司、中村憲剛(東慶悟)、清武弘嗣
DMF:遠藤保仁(細貝 萌)、長谷部誠
DF:長友佑都、今野泰幸、吉田麻也、内田篤人(酒井宏樹)
GK:川島永嗣

ワントップ争いは、クラブでの活躍を見る限りエールディビジ11ゴールのハーフナー・マイクが前田を大きくリードしているのは明らかだ。但し、代表での実績や、細部の連携では、未だ前田がザッケローニの信頼を集めていることも想像できることから、ザッケローニの中でこの二人は、6月4日を想定するうえで、ほぼ並んだ位置にあるだろう。従って、ブルガリア戦では、二人にほぼ50対50の時間帯が与えられるのではないだろうか。
本田不在の布陣にあって、ワントップには、起点になり、スペースを生み出す働きも求められよう。そのことにより、6月4日の本田からは、ボールを収めスペースを作る仕事以外の部分で、(ミドル弾などの)新たな攻撃が期待でき、攻撃の厚さにつなげることができる。このあたりではハーフナー・マイクがキーマンになると思われるが、どうなるだろうか。
少なくとも、このどちらかの選手に、明確なアピールを期待したい。

トップ下の先発は中村憲剛だと断言に近いレベルで言うことができる。東への期待は大きいだろうが、初キャップの選手はチームの勝利が確定しない限り起用しない。という、これまでのザッケローニ采配からして明らかだ。中村憲剛の展開力を利して、本田の有無に関わらず、ザックジャパンの生命線となる両SBのサイド攻撃を引き出す意図だ。
香川の左OMFは6月4日に本田がトップ下に座ることを想定した場合の指定席だ。前出のトライアングル形成の見地で、悪いポジションではない。右OMFは岡崎不在により、清武になる。清武はパサーとしてのプレーにクオリティの高さがある一方、シュートに対する消極的姿勢が見えてしまう特徴がある。清武の特徴を存分に生かすためには、香川の裏への動きと、ワントップの高さが期待される。

ボランチのレギュラーが遠藤、長谷部であることは揺るがないだろう。遠藤の縦へ意識の高さは、ザックジャパンの攻撃にスイッチを入れる。細貝は、自らの成長によりザックジャパンのボランチ奪取を視野に入れCL出場チームからの離脱を決意したが、遠藤、長谷部のもたらすザックジャパンへの影響力に及ぶのはまだ先のことになる。

DF陣は長友、今野、吉田、内田となると思う。長友については、試運転的な意味合いの試合になり、一部の時間帯は駒野にピッチを譲るかもしれない。右SBは、ブンデスリーガを好調のうちに締めくくった酒井宏樹が、再び内田に迫ろうとしている。左サイドからの攻撃に最大の特徴があるザックジャパンにあって、相手の虚を付き右サイドからのチャンスが生まれる可能性も高い。内田と酒井宏樹のクロスのクオリティを中心とした総合力が試される試合になるのではなかろうか。酒井宏樹にもかなりの出場時間が与えられるだろう。特に、フィジカル面では、酒井宏樹に軍配があがる可能性もある。

全体論とすれば、SBの攻め上がりに特徴を持つザックジャパンの攻撃において、ボランチのカバーリングを含んだDF陣のバランスの再確認がいつものようにおこなわれるだろう。

以上により、ザッケローニは6月4日に最適なチームを模索する。

ブルガリア戦はチーム内競争と監督の見極めの場となる
ハーフナー・マイク、酒井宏樹など、所属クラブで成長を示している選手が出現している。
しかし、サッカーとは、周りの選手や戦術が変われば、自らも適応しなければならないスポーツだ。クラブでの活躍が代表で同様となるとは限らない。
その活躍が、ザックジャパンに場を変えた場合にどう表現されるか。それを見極めるのがザッケローニのミッションとなる試合だ。

2013年5月29日追記
28日の代表合宿3日目に、ザックジャパンは3-4-3システムの確認に取り組んだ。3-4-3は攻撃時の数的有利を作りやすい、超攻撃的布陣だ。尚且つ、トップ下不在の布陣でもあり、怪我の回復具合が懸念される本田の不在や、ビハインドを負った局面の打開の策として、ブルガリア戦で試される可能性がある。


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