細貝萌のヘルタ・ベルリン移籍はザックジャパンのボランチ奪取の布石

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細貝は2010年12月に浦和レッズからレバークーゼンへ完全移籍し、その後当時2部だったアウグスブルクへ期限付きの武者修行にでた。チームが1部に昇格したアウグスブルクでの2011‐12年シーズンにはボランチの主力として32試合に出場し、チームの1部残留に大きく貢献した。

2012‐13年シーズン、細貝は満を持してレバークーゼンに復帰したが、ドイツ代表や、同候補の選手がひしめくレバークーゼンにおいては、出場チャンスに恵まれなかった。出場しても左サイドバックがメインで、最終的に出場17(先発は8試合)と不本意なシーズンを終えた。

そんなシーズン終了から間もない21日、細貝がレバークーゼンとの契約を2年残したまま、来季2部から1部への昇格が決まっているヘルタへ移籍することが発表された。その中で細貝は、移籍決断のポイントを次のように述べた。
(1)ボランチとして勝負できる環境
(2)自分を評価してくれる監督の存在
(3)来年のW杯ブラジル大会で主力としてプレーする



レバークーゼンから遺留され迷った時期もあったようだが、ボランチでの出場に拘る意思は強かったようだ。他にも、フランクフルトからも正式なオファーが届いており、来年(レバークーゼンに残留していれば)CLでのプレーチャンスがあり、(フランクフルトに移籍していれば)ELでのプレーチャンスもあった。しかし細貝がそれを断ち切ってヘルタを選んだ裏には、何並みならぬ思いがあることは明らかだ。

ヘルタの指揮官は、細貝がアウグスブルクでプレーしたときに指導を受けていたヨス・ルフカイ監督であり、アウグスブルク時代の戦術がベースになる点で、細貝がチームに馴染むのはスムーズだろう。アウグスブルク時代の細貝は、香川やマリンを抑えたことで“潰し屋”として評価を高めた時期に当たることから、ヨス・ルフカイ監督が細貝を欲することも容易に想像できる。更にヨス・ルフカイ監督は、細貝をボランチとして起用する考えを示しているようだ。

現在のザックジャパンのボランチは、遠藤、長谷部が固定になっている。そして守備専的存在として細貝が控えるような序列であることは明らかだ。
従って、ザックジャパンのボランチのレギュラーを奪取するには、遠藤、長谷部の少なくとも何れかとの序列を逆転させなくてはならない。
私の思うに、細貝が序列の逆転を狙う相手は、長谷部ではなかろうか。ウォルフスブルクでプレーする長谷部もレバークゼンでの細貝のようにボランチとしての出場機会が少なく、右サイドハーフや右サイドバックでの出場が多かった。ボランチには、組み立てや展開力の攻撃面と、一対一で相手を潰すという守備面が高度に求められる。長谷部は、資金力豊富なウォルフスブルクにおいては、攻撃面で見劣りしない選手であると思うが、一方では守備面でボランチ起用は厳しい位置にいることは否めない。
一方の細貝は、“潰し屋”としてはレバークーゼンでも悪くはないものの、リーグ3位に入った好チームの中にあっては、組み立てや展開力でチームメイトに見劣りし、守備固めを脱することができなかった。そして、細貝は自らの短所を伸ばすためには、ボランチとして起用されるチームが必要と感じたのだろう。それがCLやELでのプレー機会の可能性を摘んでまでの決断だ。

戦略的考慮に基づき移籍を決断した細貝と、ウォルフスブルクへの残留希望を示している長谷部、細貝の思惑どおりに進むのか、長谷部がウォルフスブルクで自らを更に成長させるのか。結果は誰にもわからない。
言えることは、ザックジャパン内の競争は歓迎すべきことであるということだ。


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