2月6日の日本代表VSラトビア戦で、治りきっていない肉離れを悪化させ、欠場していた内田は、3度目の同部位の肉離れであることから、長期離脱が懸念されていたが、懸命なリハビリとトレーニングにより、厳重なチームドクターのチェックを経て、3月9日のブンデスリーガ、シャルケVSドルトムント、通称”ルーダービー”でフル出場を果たす完全復活を成し遂げた。
内田は、その”ルーダービ”でシャルケを2-1の勝利に導く2アシストをあげ、ドイツ紙『ビルト』とドイツ誌『キッカー』の選定するブンデスリーガ第25節でのベストイレブンに選出される大活躍だった。
”ルーダービー”での内田のボールタッチ数は、69回とチーム最多だった。その中で、『ビルド』『キッカー』ともに2の評価を与えている（1が最高点、6が最低点）。
負傷を克服し、勢いに乗りつつある内田は、チャンピオンズリーグについて、「少しでも長く戦えるように頑張ります。大事なのはとにかくチームが勝つこと。ケガがクセにならないように気をつけて、できるだけ多くの試合に出られるように頑張ります」と語り、2010－2011シーズンに記録したクラブ最高成績のベスト4も視野に入っている。
ガラタサライとのUEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦2ndレグは、中央欧州標準時12日20時45分（日本時間13日4時45分）にシャルケのホーム、アレナ・アウフシャルケ（シュタディオン・ゲルゼンキルヘン）でおこなわれる。
香川のマンチェスター・ユナイテッドが敗退したUEFAチャンピオンズリーグに、もう一人の日本人、内田篤人が挑戦する。
『キッカー』がシャルケ―ガラタサライの内田先発を予想
ブンデスリーガ第25節ルーダービー・内田2アシスト目のシーン
ベストイレブンをマークした、ルーダービーの2アシスト目となったふわりとしたこのクロスは、まさに無重力の中を進むボールのごとく、美しい放物線を描き、内田の復活に留まらない好調さを強く印象付けた。
ドログバ、スナイデル擁するガラタサライは強敵だ
ガラタサライは、1月にドロクバとスナイデルという大物を獲得している。
ドロクバは、2004-2012の長きに渡りチェルシーで過ごし、君臨してきた。2009-10には34得点をマークしており、UEFAチャンピオンズリーグ 2011-12では、ビハイインドからの同点ゴールや、PK戦で最後のキッカーとして役割を見事に果たし、チェルシーを優勝に導いたというプレッシャーへの強さももっている。
スナイデルは、レアル・マドリーからインテルへの移籍の二日後に、ミランとのミラノダービーにスタメン。いきなり大勝に貢献した勝負強さがある。インテルの史上3度目となるセリエA5連覇、および、イタリア史上初の主要タイトル3冠達成に大きく貢献した実力者だ。
そんなガラタサライに対し、シャルケが前がかりになりすぎれば危険な状況も想像できるだけに、内田を含むシャルケが、どのような攻守のバランスで臨むのかががキーとなる試合だ。
シャルケは、ドルトムントとのダービーでオランダ代表FWクラース・ヤン・フンテラールが負傷のために欠場となることから、ある程度守備を固めて少ないチャンスを狙いにいくことも考えられる。
シャルケ、ガラタサライ勝ち抜け条件
シャルケ：①勝ち②0-0（アウェー得点による）
ガラタサライ：①勝ち②2-2以上の引き分け（アウェー得点による）
1-1の場合延長戦、延長戦終了時同点の場合にはアウェーゴール数、延長戦で双方無得点の場合にはPK戦
（シャルケは1stレグで1-1とアウェーゴールをあげている）
現状で、ホーム戦を残す状態で、無得点でも勝ち抜けの可能性があるシャルケが少し有利だが、一瞬でひっくり返る僅かな差であり、守りに入るようなマージンはない。2得点以上あげると、ガラタサライが有利になるために、ガラタサライは積極的な攻撃を仕掛けるだろう。
内田の大きな飛躍の試合となって欲しい
離脱からの苦境に打ち勝った内田は、ブンデスリーガ第25節のベストナインの獲得により、飛躍のきっかけを掴んだと思う。更に、このCLの一戦での勝利に大きく貢献するプレーに期待したい。
それは、ザックジャパンにおける本田・香川・長友という３本柱が、内田を含めた４本柱に進化することを意味する。
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