ザックジャパンは3月22日カナダ戦で何を試すのか

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ザックジャパンは2013年の位置づけを翌年に控えたワールドカップ2014の重要な準備の年としている。その中で第一のマイルストーンとなるのは、3月26日のワールドカップアジア最終予選ヨルダン戦でワールドカップへの切符を手にすることだ。ザックジャパンがヨルダン戦に勝利することにより、無条件でワールドカップ2014の出場が決定する。

そのことにより、以降の試合からワールドカップに向けたチーム造りを本格化することが可能となる(ザックジャパン日程参照)。

3月22日のカナダ戦は、3月26日の勝利にターゲットを絞った調整・テストの試合となる。



カナダ戦開催概要
【日時】現地時間3月22日午後7時5分(日本時間23日1時5分)キックオフ
【会場】ハリファ・インターナショナルスタジアム(カタール/ドーハ)
【テレビ放送】NHK-BS1にて全国生放送

カナダ代表の横顔
2月14日付けのFIFAランキングで、日本の28位に対して、カナダは72位となっている。しかしながら、メンバーを見ると、イングランドプレミアリーグ、ブンデスリーガ、エールディビジの名門PSVなど、トップリーグや強豪クラブに所属する選手が目立ち、侮り難い実力を察することができる。

また、カナダは北中米カリブ海3次予選で敗退しているものの、通過のホンジュラス、パナマが勝ち点11であったのに対し、惜しくも勝ち点10であった。つまり、3強1弱のリーグで勝ち抜けを競った結果惜しくも敗退した。敗退により、新チームとなったことにより、現在のチームのモチベーションは高いという。

3月22日には、南米、欧州、アフリカではワールドカップ予選が行われているなどの条件を加味すると、敗退が決定している中ではカナダが最良の選択と、日本サッカー協会のマッチメイクを評価できる。

試合の目的の一つはAマッチデーの有効利用
3月22日は国際Aマッチデー(オフィシャルマッチデー)であるために、所属クラブには試合の4~5日前までに選手を代表に派遣する義務が生じる。そのため3月18日には選手が集合可能となり、以降、3月26日ヨルダン戦までの合宿が実現する。3月18日~3月22日にヨルダンと地理的に近いカタールで合宿することにより、選手には中東の環境に順応する時間が与えられ、3月26日を睨んだテストをおこなうことができる。

カナダ戦の注意点
3月22日のカナダ戦から3月26日のヨルダン戦までは、中3日しかない。したがって、レギュラー格の選手については、コンディションや、カナダ戦での運動量を考慮して、温存したり、フル出場を避ける必要が出て来る。その中で、予定したテストをこなさなければならない。

カナダ戦のテスト内容を予測してみる
2月6日のラトビアとの親善試合では、岡崎のワントップや、遠藤不在と遠藤が入った場合の比較確認、本田・香川・長友トライアングルの復讐、酒井高徳・伊野波などのユーティリティプレイヤーのテスト、乾の成長度の確認などがおこなわれた。そして、ザッケローニはラトビア戦後のインタビューで、3月22日には更なるテストをして3月26日のヨルダン戦に臨むとしている。

ラトビア戦では、前田が後半になって出場し、優れたパフォーマンスを示した。しかし、ワントップが前田の一枚だけであると、負傷等の不慮の事態の際に不安だ。そこでハーフナー・マイクのテストも必要であったが、ラトビア戦ではハーフナー・マイクは欠場していた。ここのところ、クラブでの活躍が報じられていた(【参考】ハーフナー・マイク覚醒本物か!)だけに、ザッケローニとしては、予定外の出来事であり、カナダ戦でそれをおこなう必要がある。更に、3月26日のヨルダン戦は、劣悪なピッチコンディションで知られたキング・アブドラ競技場でおこなわれることが決定しているために、よりシンプルな攻撃が求められ、高さが欲しくなってくる。
また、現在内田が肉離れで、クラブを離脱中であるが、3月26日に間に合うのかが不透明である。ハーフナーへのクロスの供給元となる場合が多い右SBだけに、内田の状況によっては、酒井宏樹、駒野、酒井高徳との相性をテストしておきたい。

3月13日追記
現在、本田、長友の招集が不透明だ。二人のどちらかでも欠場したならば、新たなテスト項目が生じるだろう。14日の招集メンバーを見た上で、別途追記することとする。
【参照】ヨルダン戦の日本代表招集メンバー発表は14日

3月14日追記

招集メンバー発表される
ヨルダン戦の日本代表招集メンバー発表は14日に既に追記を加えたように、14日、日本サッカー協会は、カナダ戦、ヨルダン戦に向けた日本代表メンバーを発表した。本田、長友はメンバーから外れている。大津はラトビア戦から続けての招集となった。負傷していたGK西川が復帰し、林が外れた。ラトビア戦では、クラブの始動時期が遅かったために、招集を見送られていた中村憲剛、駒野も復帰したといったところだ。

本田、長友不在を強いられたが故に試すべきこと
本田不在となれば、まず、トップ下を中村憲剛にするのか、香川にするかの選択をしなければならない。中村憲剛をトップ下にする場合には、うまく動きながらボールを捌くために、両サイドMFとの良い距離が保たれ、中盤に安定がもたらされる。香川がトップ下になることは、チームとしての最大のパフォーマンスを引き出し得るザックジャパンへの変貌を意味する。
以前の本田欠場時には、頑なとも思えるような、左MF香川、トップ下中村憲剛の布陣が取られた時期があった。中村憲剛がトップ下の場合には、比較的ゆったりしたペースでボールを捌くという点で、ザックジャパンにはあまり大きな変化はないだろう。一方、香川がトップ下となれば、瞬間の判断によるスピーディーな展開となり、ザックジャパンは別チームに変貌する可能性を秘めるが、ボランチが相手のプレッシャーに苦しむようだと、香川は下がって仕事をしなければならず、攻撃面で機能しないというリスクも併せ持つ。
ザッケローニにとっては、トップ下を中村憲剛にするのか、香川にするのかの問題は、安定を取るのか、リスキーであるがチームの成長に繋がる変貌を取るのか、という問題に他ならない。

カナダ戦の布陣を予想すると、

   ハーフナー・マイク
 岡崎    香川   清武
   遠藤   長谷部
酒井高徳 今野 吉田 内田
       川島

だろうか。

本田不在、長友不在、内田好調、強力トライアングルの形成の4つのキーワードから浮かび上がる答えは、香川トップ下
ザッケローニは、『両サイドMFが誰になるかにより、MFの3人を決める』と言っている。即ちこれは、長友不在のメンバーにおいて、まずは、どちらのサイドをメインに崩していくかということを見極めたた上でトップ下も決めたいと考えていることを示唆するものだ。
従来は、長友、香川、本田のトライアングルでの左からの崩しがメインであるために、長友のクロスに対して、ゴール前の飛び込みに特徴がある岡崎を右MFとしていた。
長友の不在を考えたときに、選手の現状を考えれば、左SBに入れた選手に期待するよりも、右SB内田の現在の好調さから、右からのクロスによるサイド攻撃により、チーム全体として長友不在の穴を埋める方が現実的だ。
右からの内田のクロスをサイド攻撃の主武器にする場合には、それに連動するように、左MFに岡崎を配置し、右からの内田のクロスに詰めるという布陣が最も有効だと考えられる。
岡崎が左MFとなれば、当然ながら香川はトップ下となる。更に、香川トップ下の場合には、清武を最初から使うことができることから、内田、清武、香川のトライアングルでの崩しが可能になり、右からの崩しによる攻撃で、チームパフォーマンスとしては長友不在の穴を埋めることができる。
つまり、『本田不在』『長友不在』、『内田好調』、『強力トライアングルの形成』の4つのキーワードから浮かび上がる答えは、必然的に香川のトップ下なのだ。
したがって、カナダ戦は、ヨルダン戦の仮想ベストメンバーとして、このフォーメーションで試合に入って試したい。内田、清武、香川のトライアングルで右サイドから崩し、ハーフナーめがけて内田がクロスを入れる。クロスがハーフナーの頭上を通過した場合には、ファーサイドから岡崎が飛び込む作戦だ。クロスが入れば、必ず相手はハーフナーを二人がかりでマークするので、岡崎がフリーになる可能性は高い。ヨルダン戦がおこなわれるキングアブドラ競技場という、荒れたピッチを想定すれば、事前確認が必須な攻撃だ。3月9日のブンデスリーガ第25節ルーダービーの2アシストで、ブンデスリーガベストイレブン、欧州ベストイレブン、ブンデスリーガMVP獲得と、成長を見せている内田がザックジャパンのサイド攻撃のキーマンになる。そして、香川,清武が絡む中央攻撃は、速く、アイデア豊富で、相手の大きな脅威になるだろう。香川トップ下の成功の是非は、遠藤が相手のプレッシャーを掻い潜り、香川が高い位置で仕事をすることを助けることができるかにかかっている。

但し、上記は、あくまでもスターティングフォーメーションだ。やはり、香川と中村憲剛のトップ下起用の比較も必要だし、左MFでは岡崎と乾にパフォーマンス競争の機会を与えたい。ハーフナー・マイク好調と言えども、ワントップは、前田と比較テストをする必要がある。長友に代わる左サイドバックは酒井高徳と駒野を試す。

遠藤は(遠藤⇒細貝として、)フル出場を避け、温存したい(私としては、遠藤⇒柴崎岳と考えていたのだが、ザッケローニは、今は柴崎を呼ぶ時ではないと考えたようだ)。内田もカナダ戦に限っては45分程度にした方が良いだろう。

以上のように、6枚の交代カードを最大限に生かしながら、テストと選手の温存に使う。

そして、全ては、カナダ戦のテスト結果の見極めにかかってくるのだが、香川の能力、内田の成長を考えるに、出来うれば、上記の仮想ベストフォーメションの『仮想』が取れることを望みたい。

本田、長友が欠場となることは、ザッケローニには大きなダメージとなりかねないが、そのピンチをチームの成長に繋げれば、自ずと結果は付いて来るだろう。

以上、3月14日追記

3月22日追記
カナダ戦のトップ下として、中村憲剛の先発が濃厚になった。21日会見で、ザッケローニは、『明日のスタメンは決めている』とし、更に、一時負傷離脱していた清武については、『明日の朝の状況でカナダ戦での出場を判断する』とした。
つまり、清武については、カナダ戦のスタメンではない。
代表メンバーの攻撃陣の顔揃えを考えると、清武出場時には、香川がトップ下となる布陣が予想されるために、香川のトップ下は、カナダ戦の途中から試されることになるだろう。
ワントップについては、紅白戦で中村-ハーフナーが試されていたが、そのとおりにハーフナーなのか、中村-前田の組み合わせをカナダ戦で試すのかを推察可能な情報は無い。
前田、ハーフナーのヨルダン戦での選択については、代表実績で前田がリードしているが、最近のクラブの活躍では、5試合で3ゴール2アシストのハーフナーが上回り、従来よりも読みにくい状況になっている。カナダ戦でボールを収める部分で遜色無い場合には、ここのところ個を見せたゴールも記録しているハーフナーが選ばれることも十分にある状態だ。

香川なのか、中村憲剛なのか・・・トップ下予想投票


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