カメレオンのように多彩に攻める

-------- 以下本文 --------

カメレオン

この作品はパブリックドメインとして著作権を放棄して提供されています

2013年は、ブラジル, イタリア, メキシコと同グループリーグを戦うコンフェデレーションズカップ2013が6月におこなわれるなど、ワールドカップ2014を見据えた非常に重要な年となる。

 その中で、ザッケローニは「カメレオンのように攻める」としているが、「カメレオンのように攻める」とはどういう事を指し、ザックジャパンではどのように実現していくのかを、私なりの視点でまとめてみることにした。

 カメレオンとは、周囲の様々な色に合わせて体色を変化させて同化し、目的の餌に忍び寄ると、一瞬の速業で舌を伸ばし、餌を捕食することを特色とする生き物だと思う。



 つまり、様々な環境に対応し、有利な状況を造りだし、最後はスピードで勝負する。という風に言うこともできる特色を持った生き物とも言えるだろう。

 ザッケローニが「カメレオンのように攻める」と言うにあたっては、母国イタリアの影響があるのではなかろうか?と推測していたが、今回、長友本人や、その所属するインテル・ミラノに、そのキーワードとなる「カメレオン」という単語を発見した。
 それらを整理するうちに、ザッケローニの言う「カメレオン戦略」とは、長友を最大限に生かした、攻撃的オプションを含むことは明らかだろうと思えてきた。

 昨年12月、インテル・ミラノの長友は、「ナガトモは、最も大きな成長を果たした選手だ」と、アンドレア・ストラマッチョーニ監督に称えられている。
 長友は、2012-2013シーズンの前半に、4バックシステムのサイドバックから、3バックシステムのウィングバックとしてコンバートされた。そのことにより、長友の大きなストロングポイントである攻撃力が生かされるようになった。3人のセンターバックがいることにより、長友の守備への負担は軽減され、彼はよりサイドに張ることが多くなり、攻撃への切り替えがスムーズになった。長友の守備の仕事は、自陣に侵入してくる相手を封じ込めることだけとなったが、もともと、1対1に強く、スピードを活かして後方に戻り、危ないボールをクリアする仕事は、長友には適切な役回りだ。

 その3バック+2ウィングバックというシステムにより、アントニオ・カッサーノが前線でタメを作り、それを長友がサイドからケアする形が、インテルの新しい攻撃パターンとして定着した。
 基本はウィングバックでの出場が多いが、4バックになればサイドバックに入れる。しかも右も左も遜色なくこなすので、長友は、インテルの2×2=4のポジションを確保していると言える。
 余談になるが、インテルでは、サネッティがサイドバック、サイドMF、セントラルMFをこなし、エステバン・カンビアッソはセントラルMFが基本であるものの、バックラインにも入っている。
 このように、インテルは「カメレオンよのうに攻める」チームなのだ。ザッケーロニが「カメレオンのように攻める」という背景には、インテルで育った長友の存在があることに間違いはなさそうだ。

では、ザックジャパンに今の長友を当てはめるとどうかと見て行くと、通常は、左サイドバックでの出場となっている。それは、香川という存在が、左MFにいるからだ。サイドバックであれば、守備負担も当然ながら大きいが、それでも、長友・香川・本田がトライアングルを形成した場合には攻撃の威力は大きく、長友のハイクオリティなクロスに繋がる場合が多い。
 香川にフィジカル的な問題が発生し交代を余儀なくされたり、トップ下に移動した場合には、左MFに入ることができる。香川トップ下ならば、本田のワントップも併用することにより、デルタの形成は保持しつつ、長友のストロングポイントである攻撃力がより鮮明に発揮される。また、空いた左サイドバックには、酒井高徳が入る。以上により、左サイドの長友を中心としたカメレオン化は可能だ。
 一方、右サイドについては、岡崎と清武が同時に怪我でもしていれば、長友を右MFとすることができる。この場合も、やはり左サイドバックには、酒井高徳となる。

 以上のように、長友の位置を戦略として動かすことにより、長友のストロングポイントを引き出す戦術が可能となる。こう考えると、長友の存在がカメレオンの中核になることがわかるが、空いたポジションを遜色なく埋めるプレーヤーの存在も大きいことがわかる。特に、登録人数が限られる中で、長丁場の大会となればなるほど、カード累積や、会期中の選手の離脱の可能性も高まる。そのような環境においては、左右のサイドバックをこなせる酒井高徳や、サイドバックとセンターバックをこなせる伊野波のような選手は貴重であり、「カメレオンのように攻める」という発言の一翼を担っている。

 昨日、レアルマドリードや、マンチェスターユナイテッドや、マンチェスターシティが長友に興味を示しているとの報道があったが、以上のような長友の重要性を見ると、根も葉もないことではなさそうである。


楽しいサッカーブログがいっぱい!⇒人気ブログランキング またはにほんブログ村 日本代表

-------- 以上本文 --------
投票参加型コンテンツ
あなたの投票でザックジャパンのベストフォーメーションを決める:ザックジャパン総選挙
FIFAワールドカップ2014のザックジャパンの成績は?
本田の移籍先はどこだと思いますか?
あなたが期待している若手は?

---スポンサーリンク---

---スポンサーリンク---

コメントを残す