清武スタメン落ちの真相は?

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イージークレジット・シュタディオン

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ニュルンベルクのホームスタジアムのイージークレジット・シュタディオン

ブンデスリーガ第18節(ニュルンベルク1-1ハンブルガーSV)のおこなわれた20日から22日までの間に、清武のスタメン落ちを報じるニュースが複数のメディアから伝えられている。

当初、私は、一度くらいスタメンを外されることなど(長友でさえあったこと)、取るに足りない出来事と受け止めたが、
・気力,体力が充実している筈の2012-2013シーズン後半戦の初戦である
・シーズン前半は清武は主力というべき活躍だった
・監督が交代した初戦だ
と、清武が「スタメン落ちに不満」というように、気にかかる部分が多々あった。

従って、私は、慎重に各報道を閲覧し、清武のスタメン落ちの真相をあらゆる角度から考え続けた結果、今ようやくキーボードを叩き出した。

注意)この記事は、事実に基づくものであるが、推測の域を超えない内容が含まれている



【前半戦の清武の活躍】
2012年の夏に移籍を決めていた清武は、ロンドンオリンピックへや日本代表への招集により、休みも取れないままシーズン開幕を迎えた。
そのような厳しい状況であっても、パフォーマンスは衰えず、16試合に出場し、3得点5アシストの活躍を見せた。
FW陣が計4得点であることから、一人のMFが3得点という事実が、清武のチームへの貢献度の高さを証明している。地元の記者の話では、ニュルンベルクの得点の半数以上に絡んでいるといい、最高評価を与えられている。
チームの成績もニュルンベルクとしては良い。前半戦は5勝5分け7敗で勝ち点20と、順位こそ14位だが、ヨーロッパリーグの出場権が得られる6位とはわずかに勝ち点6ポイントの差で、決して届かない距離ではない。反対に自動降格圏の17位には11ポイント、残留プレーオフに回る16位にも8ポイントの差をつけており、ポイント的には降格の危険が極めて少ない位置にいる。
マルティン・バーダーGMは、「ヒロシのエネルギーの源は大いなる野心だ」「チーム最大の収穫だよ。彼がいるおかげで長期的な強化プランが実行できる」と語っている。
以上から明らかなように、ニュルンベルクで半年しか過ごしていない清武は、まぎれもないチームの中心選手なのだ。

【突然の監督交代】
清武が一時休暇のために日本に帰国している最中に、監督のディーター・ヘッキングがチームを去り、ヴォルフスブルクの監督に就任することが決定したのだ。
チーム成績はニュルンベルク14位に対し、ヴォルフスブルクは15位と同程度だが、ヴォルフスブルクには世界的な自動車メーカーのフォルクスワーゲンがバックに付いており、資金力が豊富だ。上昇志向の就任ではなく、打算的なものであることは自明だ。
ニュルンベルクの新たに監督に指名されたのは、ミヒャエル・ヴィージンガーアルミン・ロイタースハーンだ。「」という文字に驚くと思うが、なんと二頭体制なのだ。
監督が二人の体制で実績を残した前例はないだろう。更に悲観的なのは、両者とも監督として全く満足な実績を残せていない(ヴィージンガーは昨シーズン、前任者の解任による繰り上げ昇格でクラブの2軍監督を務めていたという実質3部監督だ。ロイタースハーンに至っては、監督経験は「ない」に等しい)という事実だ。・・・このチームおかしくなるぞ!という予感さえしてしまう。
チームが混乱すれば、清武がどこまで成長できるのか、懐疑的な声が聞こえてくることになるだろう。

【新監督が清武をベンチスタートとした理由とは】
ミヒャエル・ヴィージンガー監督が試合後コメントで、「練習で物足りなかった。努力が十分に見えなくなり、そのあたりがあまり気に入らなかった」と、清武の先発落ちについて言及したようだ。

この試合の直前の清武へのインタビューの際に、清武サイドの戸惑いもあった。

記者:ミヒャエル・ウィージンガー新監督は攻守の切り替えをスピードアップして、以前よりも攻撃的なサッカーを目指したいようですが、合宿地でもそれを念頭に置いた練習が行われたのですか?

清武:はい。特にパス回しとポゼッション力を鍛える練習に重きが置かれていました。でも、一朝一夕で習得できるようなものではないので、チーム全体でそれを実践できるまでにはもう少し時間がかかりそうです。ロングボールを蹴るのもいいですが、やっぱり僕としてはショートパスで組み立てるほうが好きですね。

と心情を明かしている。
このことは、練習での積極性を欠いたり、与えられた戦術に沿わない動きをしたりということに繋がる可能性を持った発言であるとは思う。が、プロである以上は、与えられた戦術の基に仕事をするのは当然であることなどは、清武ほどの選手ならば百も承知だろう。「練習で物足りなかった。努力が十分に見えなくなり、そのあたりがあまり気に入らなかった」ということがスタメン落ちの理由であることなどは、にわかに信じがたい。

【では、スタメン落ち原因の真実は何か】
先にも示したように、シーズン前半戦に中心選手だった選手が、「練習で物足りなかった」という理由で簡単にスタメンを失うことはないだろう。

ここから先は、想像や憶測を含むことを許していただいて書き進めることになるが、

まず、新監督というものは、前任者と違う色を出したがるものだ。という点を挙げることができる。それを形としてはっきりさせるのが、GMをして「チーム最大の収穫」と言わしめる清武を外すことだ。但し、これが真実であるならば、その監督の解任は近いだろう。そのことは、シーズン前半の清武の活躍を示す数値から明らかだ。

もう一つは、組織的でダーティーな力が働いていることも考えられる。
マルティン・バーダーGMが、清武について、「ヒロシのエネルギーの源は大いなる野心だ」「チーム最大の収穫だよ。彼がいるおかげで長期的な強化プランが実行できる」と語っている部分を読んだ瞬間に、私は身震いしたことをまず述べておく。
その二つの言葉は、こう読み取ることも可能だからだ。
ヒロシのエネルギーの源は大いなる野心だ」=「清武はトップチームへの移籍志向が強い
チーム最大の収穫だよ。彼がいるおかげで長期的な強化プランが実行できる」=「値が高騰する彼を売れば、有効な資金が得られる
そう思える発言なのだ。事実、清武の価値は入団当時の5倍(100万ユーロから、わずか半年で5倍の500万ユーロ)になっているという。
更に、1月10日報道で、ロシア強豪のロコモティフ・モスクワとディナモ・モスクワが興味を示していると地元紙イズベスチヤ(電子版)が報じるなど、移籍関連情報もある。
「ニュルンベルクという容器は清武にはいささか小さすぎる」とする記事もあり、清武の去就については、ニュルンベルクに長居することはないという論調が主流となっており、チームのGMにすれば心穏やかではいられないだろう。
監督の交代が常にGMの意向であるとすれば、答えは少し見えて来る。さしたる実績もなく、自律的な決断が困難な監督を据え、GMがチームを操るという算段があるのではないだろうか。ニュルンベルクは清武を売って資金を調達する。そのためには、監督を操って清武を干す。・・・ワールドカップまで500日余りという今の時期に、あってはならない事であるが故に余計に懸念してしまう。

清武の後半戦開幕戦のスタメン落ちの真の原因はなんだったのだろうか?「練習で物足りなかった。努力が十分に見えなくなり、そのあたりがあまり気に入らなかった」では納得できない。
25日(金)にニュルンベルクは次戦を控えている。

2013.01.24追記
ドイツ『キッカー』紙の電子版によると、清武は第19節アウェーのドルトムント戦では先発に復帰するようだ。ヴィージンガー監督は23日に「彼は無視できないオプション。トレーニングでは我々が望んでいたようなリアクションを見せた」としている。
この報道のとおりであって欲しい。私の抱いている懸念が、現実とならなぬことを希望する。

2013.01.24追記
インテル・ミラノが今夏の移籍市場を見据え、清武獲得に動くことがわかった。25日のドルトムント戦にスカウトを送り込むという。
インテルはMFスナイデルを失っていることから、本田獲得に乗り出すなど、補強に積極的だ。更に、長友の成功もあり、日本人選手への注目が高まっている。
また、視察時の相手となるドルトムントは、新たな香川として清武に注目しているクラブだ。場合によっては、インテルとドルトムントの清武争奪戦に繋がるかもしれない。

清武も、「サッカー選手である以上、ビッグクラブに移籍したい気持ちはある」としている。

清武の周囲を見ると、やはり、夏に移籍の匂いがする。

そう考えると、本記事で推測した「スタメン落ちの真相」も、当たらずもと遠からず、といった方向になってきている。つまり、清武の移籍が近いと察したGMが、新監督に若手育成指令を出した。といったところが真相ではなかろうか。清武起用が必須になる試合は多い。当初懸念したように、干されることはどうやらなさそうに思うが、相手の力を見ながら、清武と新たな若手の起用を使い分けるのではなかろうか。

次戦の相手となるドルトムントは強豪だ。更に、ニュルンベルクにも当然インテルのスカウトの情報は入っているだろう。ニュルンベルクにとっては、清武の価値を上げるチャンスだ。先発起用で間違いないだろう。・・・そのとおりかが今から見ものだ。

2013.01.28追記
清武インテルにアピールなったか!に書いたように、インテル視察の試合に清武は先発した。インテルの是非は別としても、清武のスタメン落ち原因の輪郭が見えてきたようだ。


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