14日、日本サッカー協会は、22日のカナダ戦と、26日のワールドカップ最終予選ヨルダン戦の招集メンバーを発表した。メンバーからは、体調不良や古傷の治療が長引いたためにコンディションが整っていない本田と、左膝の負傷が完治していない長友が外れた。
26日のヨルダン戦はアウェーの地アンマンでおこなわれる。大手をかけているワールドカップ出場を決める試合だ。カナダ戦はカタール/ドーハでおこない、ヨルダン戦に先立って、中東の環境に適応することと、事前テストを目的とするものだ。
ザックジャパンのビッグネームをあえてあげれば、本田、長友、香川だろう。
チームが2/3のビッグネームを失うことを、単に割合として捉えれば、明らかにザックジャパンは窮地にあると言える。
しかしながら、招集されたメンバーを見るとどうだろうか。
好材料も沢山ある
香川はプレミアリーグでハットトリックをマークし、マンチェスター・ユナイテッドに移籍後で、最もコンディションが良い状態だ。
内田は、9日のブンデスリーガ第25節のドルトムントとのルーダービーで、フル出場2アシストを見せ、シャルケの勝利に貢献。ブンデスリーガベストイレブン、欧州ベストイレブン、ブンデスリーガMVPに輝いた。
吉田も、9日のプレミアリーグ第29節の試合で、二度の相手の決定的チャンスを防ぎ、プレミアリーグベストイレブンを獲得した。
ハーフナー・マイクも、1月27日のエールディビジ第20節でベストイレブンを得て以来、好調を保っている。今や、これまでの代表戦で見せていた彼のプレーとは別のレベルに達している。ポストプレーをこなし、強く、速くなってきている。
本田、長友不在だからこそやってやるという気概が噴出するだろう
香川、内田、吉田、ハーフナーらは勿論、他の選手達にとっても、カナダ戦とヨルダン戦は、代表での新たな地位を築くには大きなチャンスだ。出場した全選手の躍動が期待できるメンタル状態になることは大いなるメリットとなるだろう。
特に、香川と内田にとっては、大きな機会となるだろう。
香川は、ドルトムント時代から、『代表では輝くことができていない』と言われてきた。公言はしないにせよ、中心選手の一人であるならば、ザックジャパンの大黒柱は自分だという思いはある筈だ。香川が、それをこの2試合で出すのは明らかだ。
内田の負傷明けの活躍は目覚しい、ブンデス・リーガの2アシストのみでなく、CLでも1アシストをあげ、評価は高い。イメージ的には、長友とも遜色ないレベルに成長している。内田とすれば、それをザッケローニの目の前で示したいだろう。
本田、長友の欠場は窮地ではない
このように、選手が成長し、全選手が本田、長友の不在にメンタルを燃やすザックジャパンでは、本田、長友の穴は十分に埋めることができるだろう。コンディションの良い本田、長友がチームにいることが理想であるのは言うまでもないが、窮地を窮地とせず、チームが成長するチャンスと捉える発想の転換が求められる。
重要なことはカナダ戦での見極めだ
トップ下を香川にするのか、中村憲剛でいくのか、左右のMFを誰にするのかといった見極めが重要という点で、本田、長友の不在は、これまで以上の難題をザッケローニに提供する。
最後に、私ならばカナダ戦はこう試すと、付け加えておく。
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