なぜ香川がマンUで初めて輝きを放つことができたのか

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オールド・トラフォード

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マンチェスター・ユナイテッドのホームスタジアムのオールド・トラフォード

2013年3月2日プレミアリーグ第28節のマンチェスター・ユナイテッドVSノーウィッチ・シティは、マンチェスター・ユナイテッドのホームのオールド・トラフォードでおこなわれた。

この試合で、日本代表MF香川真司は、アジア出身選手初の快挙となる、プレミアリーグでのハットトリック(=1試合に3ゴールすること)を決めた。監督ファーガソンも、「今日はシンジの日だった」「シンジは輝いていた」と賞賛の言葉を惜しまなかった。

プレミアリーグで首位に立つマンチェスター・ユナイテッドは、2位につけるマンチェスター・シティとの差を広げるために、ベストメンバーで臨んだ試合だけに、その中でのハットトリックという大活躍は、明日に迫ったCL決勝トーナメント1回戦2ndレグのレアル・マドリーとのビッグマッチ(中央欧州時間3月5日20時45分、日本時間3月6日4時45分キックオフ)に向けて、期待を抱かせる結果だった。ファーガソンも「火曜日の(レアルとの)試合に香川が出場するのは明白だろう」としている。

この試合では、香川のワールドクラスのクオリティを目の当たりにし、香川の決定力を最大限に引き出さない手は無いということを実感し、ザックジャパンも近い将来に香川を核としたチームになるべきであろうことを予感させられた。

ワールドカップ2014では、香川を生かし、自らも生きるというチームへの変貌こそが、ザックジャパンに求められるのかもしれない。

この記事では、香川を生かし、自らも生きるという視点で、周囲の選手への期待について記したい。



この試合の香川のハットトリックの3ゴールは、多くのゴールは、周りの選手との連携が成立した場合の産物であることを克明に証明するものとなった。この試合の香川の全ゴールを振り返りながら、香川と絡む選手をザックジャパンの選手に置き換えて考えてみたい。

ハーフナー・マイクはファン・ペルシーとルーニーを兼任せよ!
香川1点目・ファンペルシーのプレー
このシーンは、香川の1点目のものだ。ナニからのクロスに、ファン・ペルシーが反応し、そのファンペルシーは自らの体制が悪いと判断すると、左足を懸命に伸ばしてボールを香川の前に落とし、香川の右足アウトサイドキックによるゴールを引き出した。香川の相手GKの守備範囲をかわすシュートのスキルを利用したことが得点に結びついている。
このプレーのファン・ペルシーには、いつもの豪快なシュートを決める姿のような格好良さは見られない。一瞬の判断で、泥臭くボールを落とした。また、ゴール前の混戦になると、(ファン・ペルシーのような)リーチの長さが物を言う場合が多いことを示すシーンだ。
このシーンをザックジャパンに置き換えると、ハーフナー・マイクにファン・ペルシーの働きを期待したい。ハーフナー・マイクは、最近オランダで非常に好調だ。その原因に、ポストプレーをこなすようになったことや、ゴール前で高さ意外の部分でも競り勝てるようになってきたことがあげられる。
更には、フィテッセでのトップ下の経験も豊富であることから、ルーニーと香川のパス交換のような仕事もこなし得るのではないか。わかりやすくするために、あえて俗ない方をすると、最近のハーフナーからは「ヒョロリ感」や「モッサリ感」が消え、強くあるべきときは強く、速くあるべきときは速いという、急成長が見られているのだ。代表の実績という面で、賛否はあろうかとは思うが、リーチの長さとスケールの大きさも考慮すると、私の中では前田よりも期待値は大きい。

岡崎はこのプレーのルーニーになれ!
香川2得点目・ルーニーアシスト
キャリックからのロングパスに反応し、ルーニーが裏にすり抜け、優れたアジリティを示す切り返しでDFを振り切った。そして、走り込んだ香川にラストパス。そこまでお膳立てすれば、香川は決めてくれる。相手DFとGKの逆を突く「にくらしい程の落ち着き」と表現されたシュートが決まった。これまでのザックジャパンでの岡崎も、このシーンのルーニーの動きに似たプレーが多かった。更に、この得点に絡んだキャリックのプレーに相当する部分は、遠藤がまさに適任者であるだけに、ザックジャパンも得点パターンとできそうなプレーだ。クラブではワントップやトップ下を務める中で混迷しているが、岡崎には、ルーニーに近づくアジリティの向上を期待したい。前を向いてプレーし、裏に飛び出す動きこそ、岡崎が最大限に生きるし、香川も生きると思うのだ。

香川の鋭いファーストタッチを引き出すポストプレイ
香川3点目・ルーニーアシスト
中盤をウェルベック⇒香川⇒ウェルベックとワンツーで崩し、ウェルベックがペナルティエリア前までドリブルで持ち込むと、ルーニーにボールを叩きながら相手DFを引き付ける。ルーニーは後ろから走り込んだ香川にパス。香川はファンタスティックなファーストタッチでDF二人をぶっちぎり、得点を9割方決定的なものにする。そしてGKをかわすシュートを決めてハットトリックを決めた。ファーガソンをもってして、「完璧」と言わしめ、ルーニーが「自ら起点になり、決めてしまった」と賞賛したプレーだった。これも、ルーニーが香川のスキルを最大限に引き出すプレーを見せた結果だろう。
ザックジャパンでは、前田やハーフナー・マイクなどのポストプレイに同様なプレーを求めたい。ウェルベックの動きも素晴らしかったが、そこは岡崎や清武や乾などいろいろな選手に同じ局面が訪れる可能性があるだろう。

香川はハードワークでパスを引き出していた
ややもすれば、全くもってルニーやファン・ペルシーのおかげのハットトリックなどと、浅読みされがちであるが、何れのチャンスにも顔を出すという、チームへの献身を根底としたハードワークの基にアシストを得たものであった。というのが実際だ。

ザックジャパンはマンUでさえ認めつつある香川のスキルを最大利用すべき
この試合で強く感じたことは、ルーニーと香川のコンビネーションの素晴らしさだった。香川がちらりと後ろを振り向いて、ルーニーの位置を確認するような様子を見て取ることができた。常に互の場所を知ることで、最大限に香川のスキルが引き出された。キャリックにしても、ルーニーと香川を中心とした攻撃の組立を取っていたことはパスの出方からも見て取れた。
「代表で輝けない香川」と言われて久しいものがあるが、いまや、ファーガソンでさえも認める香川の実力を、ザッケローニが利用しない手は無いだろう。
更に、本田・長友・内田に欠場の気配がある今、チーム力を保つ観点で、尚更に香川の力を引き出すことに着手する時期だろうと思う。その結果として、(本田はボランチ?とか、香川がトップ下?というような、布陣の話は控えておくが、)本田・長友・内田が無事合流したときに、どんなチームに育つのかと考えると、自ずと胸が熱くならずにはいられなくなるのだ。


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