ザックジャパン2-2オランダ代表!ベルギー戦控える

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11月16日、ザックジャパンはゲンク(ベルギー)でオランダ代表との親善試合をおこなった。前半、0-2とビハインドを負ったザックジャパンは、前半終了間際の44分反撃開始、1-2で折り返すとその後は試合を支配、後半15分には流れるような連動から同点ゴールを決め、2-2で引き分けた。

10月、東欧遠征にて、セルビア戦(0-2)、ベラルーシ戦(0-1)と、ワールドカップ予選を敗退した両チームに連敗。閉塞感が見られていた。

そのような状況のザックジャパンにとって、強豪オランダ(ザックジャパンのFIFAランキング44位に対し、オランダは8位)との対戦は、難しい一戦となることが予想された。(19日のベルギー戦も含めて、)大敗を喫すれば、ザック体制も揺らぎかねない危険な相手とのマッチメイクとなった。

◆試合展開
前半、2点のビハインドとなる。

オランダの先制点は、ザックジャパンの守備のイージーミスからのプレゼントだった。オランダのペナルティエリア付近へのロングボールを、内田が頭でGK西川にバックパスしたが、走り込んでいたファンデルファールトに一瞬先にボールをさらわれ、ループシュートを決められた。先制点をあげるべく、良い流れで試合を滑り出したチームにとって、痛すぎるミスだった。押していながら逆に失点という、嫌な流れになり、以降、オランダにペースを奪われる。
(【私的感想】『相も変らぬ、守備のミスによる失点。内田のこのプレーには、失望感を持たずにはいられないというのが正直なところだった。強豪相手にこのミスでは勝てない。』)

オランダは、ピッチを広く使うと同時に、縦へのスピードの緩急を使い分けて日本守備陣を翻弄。前半35分には、ファンデルファールトからのサイドチェンジのボールを右サイドでフリーで受けたロッベンがドリブルで内へ切り込み、鮮やかなミドルシュートを突き刺した。これで2-0。
(【私的感想】『あまりにも鮮やかすぎると映るゴールだったために、打つ手なしだったようにも思えたが、ブンデスリーガが多いザックジャパンとしては、判っていながら、ロッペンに得意なプレーをさせてしまった感が強い。この試合は0-5になるかも、と、最悪のシナリオが脳裏をよぎりだす。』)



◆前半44分、おおきかった追撃弾
試合はオランダペースに終始するかと思われた前半終了間際。ザックジャパンはおおきな1点を返す。

オランダ戦大迫ゴール

値千金の追撃弾

吉田が中盤でボールを奪取。長谷部に繋げると、長谷部は、ターンでオランダ中盤の要デヨングをかわしドリブル。大迫が二人のDFの間のスペースに走り込むと、長谷部がそれを見てスルーパス。大迫は、ゴール左隅にダイレクトで決めた。前半は1-2の1点ビハインドで終了したが、このゴールで精神的に対等以上に立ったと言える。この大迫のゴールは、過去を含めて、オランダから奪った初の得点だ。
(【私的感想】『大迫半端ない!流れを代える大きなゴールだった。圧倒的不利から追撃のメンタルを作り出した。前半終了間際であることも大きい。後半の猛攻に繋がる予感を漂わせるものだった。コンフェデレーションズカップのイタリア戦で、2-0から前半終了間際にイタリアにゴールを浴び、結果として3-4で敗れたことを思い出した。』)

◆後半は一貫してザックジャパンペースに
後半開始時、ザッケローニは2枚の交代カードを切る。清武⇒香川、長谷部⇒遠藤(遠藤は左ボランチに入り、山口蛍が右に移動した)だ。この時点の両チームのメンタル状態を考えるに、マンチェスターUの香川が入っただけでも、オランダにはきついものがあっただろうことは容易に想像できる。香川は、動きが切れており、1G1Aでもおかしくない非常に危険な攻撃をしかけていた。遠藤は、オランダがそれほどに恐れる選手ではなかったかもしれない。しかし、ゲームが再開すると、オランダはその怖さを思い知らされることになった。遠藤は、長短のパスで自在にゲームを造り、オランダに全くサッカーをさせなかった。

◆世界中の誰が見ても美しい同点弾
おそらく、私が見てきたザックジャパンのゴール中でも、最も美しいものの一つだった。選手が緻密に連動し、完全にオランダDF陣を翻弄し、技術の高いシュートをゴールに突き刺した。
20131116オランダ戦同点ゴール
オーバラップした内田に、自陣センターサークル手前やや左から、遠藤がサイドチェンジのロングパス。ボールを受けた内田は、一人をかわしドリブル、岡崎に当てる。岡崎のヒールパスを本田が受け、流れる動きで入り込む内田にパス。再び内田はドリブル、逆サイドからゴール前に走り込む大迫を見るや、スルーパス。大迫は、DFを背負いながら、走り込んだ本田に丁寧にボールを落し、本田がモーションの小さいシュートをたたき込んだ。本田のシュートまでの多くがダイレクトだったのが圧巻だった。
(【私的感想】『流れるような連携の素晴らしいゴールだった。』)

◆ザックジャパンがこの試合で得たもの
大迫、山口の活躍がなによりもの成果だ。
大迫は、オランダに対日本戦の初失点をもたらした。積極的なシュート姿勢がダイレクトシュートでのゴールに繋がった。一方で、シュートとポストプレーの選択も適切だ。本田の同点ゴールのアシストも、二列目が強力なザックジャパンにあっては、大きく評価できる。身体も強く、ワントップとして総合的に優れていることが証明された。
山口は、フル出場を果たし、殆どミスなくこなした。鋭い出足とボールへの寄せの激しさはこの試合でも際立ち、危険の芽を摘む能力が高いことが見て取れた。ベテラン遠藤、長谷部の負担を減らす場面でも非常に有効だ。
何よりも、二人が高い能力を示したことは、チーム内競争を激化させ、チームの成長を促すだろう。

◆それでも残るザックジャパンの課題
この試合の結果は2-2だったわけだが、失点で1点減らせたし、得点で1多くできた。つまり、3-1でオランダに勝利できた試合だった。緻密なパス交換を得意とする側面がある割には、ポカが出てしまうチームである点に修正がかかっておらず、それが勝ちきれない原因になっている。
致命的な守備のミスによる失点は防止せねばならない。強豪相手にそのような失点をしていれば、追いつくことは容易ではなくなる。この試合で追いつくことができたのは、ラッキーだったと捉えるべきだ。
本田の相手を引き付ける走りと、香川の絶妙なパス。この決定的な場面でわずかにゴールを外す。これは決めなければならないだろう。これほどのチャンスを逃せば、強豪には反撃の隙を与えてしまう。更に、この試合の本田の同点ゴールからも考えるべきところがある。一連の連動は素晴らしく、ダイレクトのパスは美しかった。称賛されるべきゴールではあるのだが、現実を考えれば、どれ程の確率でこのような得点が決まるだろうか。ブラジルのように個の強力なDFに対してあれだけの数のパス交換は困難だ。パスの数に比例してボールを奪われる可能性が高まる場合が多いだろう。手数をかけずに決めきる。そのことが求められると感じた。

◆ベルギー(FIFAランク5位)戦で如何に戦うか
ワールドカップのグループリーグには、オランダ、ベルギーのような2強が同組となる可能性がある。この欧州遠征をそのシミュレーションと捉えれば、まず、初戦のオランダ戦は勝ち点1だったことになる。そして、グループリーグの突破のためには、より第2戦が重要になる。(三つ巴で得失点差の怖さがあるが)最低でもベルギーには引分け、できれば勝ち点3が欲しいところだ。

ベルギーは、アザール(チェルシー)やフェライニ(マンチェスターU)らを擁し、オランダ以上に個で来てフィジカルが強いチームだ。長身選手が多く50対50の競り合いに自信をもっているし、俊足揃いだ。それに対峙するには前線からの激しいプレスが必須となるだろう。そして、個に頼る傾向が強いが故の相手DFの連携不足を突くことができるかが、試合の明暗を分けそうだ。

いかに、相手がエースのファンペルシーを欠いていたとは言え、ザックジャパンがオランダと良い試合をしたということは事実だ。しかしながら、ザックジャパンが良い形を見せてベルギーに勝利することがこの欧州遠征の(自信という)成果を拡大させる。

19日(日本時間20日5時)の戦いは、ワールドカップを占うことになるかもしれない重要な一戦となる。


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