キーマン出現に見るザックジャパン成長の余地

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『本田と香川の正しい使い方』(週刊サッカーマガジン編著2013年2月27日発行)を1日で読破した。普段ならば、238ページにおよぶような本をそのようなペースで読むことはない私であるが、それは、私の興味に『ピッタリハマッタ』ものであった。

ザックジャパンが史上最強と言われる所以には、本田、香川という才能を持っていることがその多くの部分を占めている。
そして、その二つの才能を両立させ、まんべんなく力を引き出すことができるかが、ワールドカップ2014での飛躍を目指すザックジャパンの鍵となる。

同著作では、名波浩氏を始めとする11人のサッカー関連の著名人が、各氏の描く『ザックジャパン最強布陣』を提示し、本田、香川の位置付けを中心に解説する中で、あるときはザックジャパンの課題を示したりと、興味の尽きない内容で網羅されている。

示されている11の『最強布陣』は、そのどれもが確固とした戦術論に基づいており、本田、香川の能力を正確に把握したうえで述べられており、納得しこそすれ、真っ向から反論したくなるものはない。

しかしながら、同著の発行から現在までのわずか一月半という時間差により、私の中にある最強布陣は、そのどれとも一線を画すものとなっている。



ワールドカップ2014まで、あと424日となったが、『本田、香川の才能をいかにまんべんなく引き出すか』が、ザックジャパンの大きなテーマになることに異論はない。

しかも、そのテーマは、できるだけザックジャパンの大きな飛躍につながる方向で模索されねばならない。更に、それは、日々変化する選手の活躍状況が考慮されるべきだ。

そこで、4月14日までの各国リーグ戦の選手の活躍を考慮した上で、私の思う『最強布陣』を示す。

FW:ハーフナー・マイク
MF:永井 香川 岡崎
MF:本田 長谷部
DF:長友 今野 吉田 内田
GK:川島

文字を着色するまでもなく、ハーフナー・マイクと永井の部分に着目される方が多いだろう。この二人は、『本田と香川の正しい使い方』の11の『最強布陣』のどれにも登場していない選手であるが、その著作の発行から僅か一月半後の現在、香川と本田の才能を最大に生かしながら、ザックジャパンのパフォーマンスをマックスにするキーマンだと思っている。

ハーフナー・マイクについては、発行時期に原因があろうが、一言で言えば、同著の中では非常な過小評価を受けている。従来からの高さは勿論、強さ、果敢さ、速さ、ポストプレーを身に付け、昨年10月のフランス戦/ブラジル戦や、11月14日のオマーン戦の頃とは別人化しているのが現実だ。
最近のエールディビジ・フィテッセでの活躍は目覚しく、最新の13日の試合でも2ゴールをあげるなど、シーズン9ゴールをあげている。これまでの海外リーグのトップチームでの二桁得点は、中田英寿、高原、香川の3人しかいない。その4人目になろうとしているのだ。
更に、エースのボーニーの相棒として、破竹のシーズン30ゴールに大きく関与していることから、単にゴールをあげるだけでなく、連携面での成長も著しい。
その活躍は、今年1月27日のエールディビジ第20節から急加速し、現在まで保たれている。エールディビジ第20節時点では、『ハーフナー・マイク覚醒本物か!』と、疑問符の感があったことは否めなかったが、その後の現在までのプレーにより、ハーフナー・マイクの覚醒は、私の中で確信を深め続けている。

香川をトップ下としたのは、ハーフナー・マイクをワントップとしたことにおおいに関係がある。いまや、ハーフナー・マイクは相手を背負いポストプレーをこなし、起点となる仕事が可能なことを、3月22日のカナダ戦で証明している。それによって生じたスペースを360°の自由度があるトップ下で香川が自由に動き回ることが可能になる。ドルトムントでの香川を思い出して欲しい。香川がドルトムントで過ごした時期に、トップ下で大成功を収めたことを今更言う必要もないだろうが、そのときにトップ下香川の前にいたワントップを見てみると、2010-11シーズンはパラグアイ代表のルーカス・バリオス(187センチ83Kg)、2011-12シーズンは、ポーランド代表のロベルト・レバンドフスキ(184センチ78Kg)だった。二人とも背後から厳しいマークを受けても、しっかりとボールをキープし、的確にボールを落とすことができる選手だ。それにより、結果として、香川は前を向いてボールを受けることが多くなり、その後は相手をいなしながら危険なプレーを仕掛けることが可能となった。それが、香川がこれまでに最も輝いた時期のトップ下香川とワントップの関係だ。

永井は、ロンドンオリンピックで『世界を驚かせたアタッカー』だ。香川のサポート役として、清武か乾を近くに置きたいところであるので悩むところではあるが、『大きな可能性を感じる』というところを含めて、永井が気にかかる。永井には香川のサポートをしつつ縦へのプレッシャーを与えるという運動量を求めたい。右の岡崎とともに、相手に『裏をとられるかも』という恐怖感を持たせる選手を両翼に配することで、相手の両SBを下げる効果を狙いたい。SBが下がれば、必然的にCBも下がるので、相手のバックラインを低くコントロールできる。そのことにより、スーペースを香川はより自由に動き回り、中盤を支配しやすい状況ができる。そこが、永井抜擢の最大の狙いだ。
更に、永井のスピードは、高い献身性と相まって、守備面でも高い位置でのハイプレスで威力を発揮することも見逃せない。永井とは、個のスピードで相手を混乱に陥れることが可能な選手なのだ。ロンドンオリンピックのスペイン戦が、まさにその証拠だ。

司令塔本田は左ボランチだ。本田はCSKAモスクワでボランチ経験もあるので、問題なくこなすだろうが、遠藤との違いがまったくないわけではないだろう。緩急やテンポの点の違いがあると思うので、そこをチーム内で確認しておくべきだが、元々司令塔タイプのトップ下だった本田の適正位置の一つであることに間違いはない。高い技術はお墨付きだけに、高度なゲームメイク/チャンスメイクが頻発することは確実だろう。自在にゲームを作る姿は、チームの精神的支柱である本田にまさにうってつけの仕事だ。
本田と長谷部の新たなツーボランチは、どちらも強烈なミドルシュートを持ち、得点源として、あるいは相手DFを引き出す手立てとしてザックジャパンの深さを醸成する。そこから永井、岡崎の裏への飛び出し、香川の中央への侵入が引き出される。
ボランチ本田、そこからはザックジャパンの多彩な攻撃を司る『王様』の姿が見える。

本田と香川の力が余すことなく発揮されるかの如何が、ザックジャパンに大きなインパクトを持つことは言うまでもない。本田がこれまでの活躍を持続する中で、香川がドルトムント時のパフォーマンスを発揮したときに、ザックジャパンは次のステージへと成長を成し遂げる。
そしてそれは、本田、香川の努力とか、成長による部分よりも、周囲の選手の更なる進化にかかっている。そのキーマンは、ワントップのハーフナー・マイクと、アタッカーの永井だ。


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キーマン出現に見るザックジャパン成長の余地」への2件のフィードバック

    1. ノテータ 投稿作成者

      ご訪問くださいまして、ありがとうございます。

      事実から大きくかけ離れることなく、『なるほど!それも有かな』とお思いいた
      だける内容を心がけていきたいと思っています。

      今後とも宜しくおねがい致します。

      返信

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