ワールドカップ2014に向けて、非常に大事な年となる2013年のザックジャパンが動きだした。
ザックジャパンは、3月26日のワールドカップ最終予選でのヨルダン戦で、世界最速のワールドカップ出場決定をめざす。
この試合の主目的は、昨年11月14日ぶりとなる代表招集の中で、真の勝負となるヨルダン戦での勝利のために、個々の選手が代表での役割を再確認することにある。
世界に先んじてワールドカップの切符を手にすれば、ワールドカップへのチーム造りにおいて、他国にない時間的余裕を確保し、優位に立つことにつながる。
2013年のザックジャパン、サプライズから始まる
君が代を聞きながら、スタメンの顔ぶれを見ると、清武、細貝の顔が見えた。海外組10人で、国内組は今野のみで、遠藤、前田がスタメンにいないことに驚いた。
前田がベンチスタートのため、間違いなく、本田のワントップ、香川トップ下だろうと考えながらキックオフを迎えた。
試合が始まってみると、どうも、香川は左にいるし、本田の位置は岡崎の下だった。つまり、岡崎がワントップ、本田トップ下、香川は左の4-2-3-1の布陣だ。
ここのところのドイツでの岡崎は、ワントップやトップ下などでもプレーしていることから、ザッケローニも代表のオプションとして、岡崎のワントップを試す布陣をとったようだ。
今年も本田、長友、香川のトライアングルは健在だ
前半4分34秒頃から、ザックジャパンに最初のチャンスが訪れる。
本田が長友を、ペナルティエリア左のスペースに走らせるが、相手選手にボールを奪われる。
相手のトラップが大きくなったところを、香川が前を向いたまま足首を柔らかく使って、岡崎めがけた右足インサイドのワンタッチスルーパス。あまりにも一瞬だったために、スルーパスという印象さえなかったが、視野の広さ、判断の早さ、といった香川クオリティは今年も健在だ。
相手選手はボールにスライディングし、必死の防戦。ボールに触れコースを変える。本田、長友、岡崎のデルタ地帯にボールは転々とする。本田が追いつきキープ。そして、次の8の画像が問題のシーンだ。私は、『あ~っつ』とこの瞬間に息を飲んだ。本田が右足シュートを決めると思ったからだ。右足を振り出す体制になっているし、ゴール右へのスペースがあったように見える。
得点を取りに行くには、過渡なレフティは邪魔になる場合がある。と、本田には言いたい。
その後、どうも左足だけでボールを扱う姿が気にかかる。最終的には、この画像後のプレーで、相手選手ともつれながらの左足ヒールパスが奪われチャンスを逸する。
一つの流れのプレーで、香川と本田に対照的なコメントをせざるを得ないが、公平な目からのコメントであることを断っておく。
本田は、昨今、チーム全員が個を上げることの必要性を強調している。しかし、本人がこれでは、単なる大言壮語に聞こえてしまう。このプレーで、本田に限れば、非常にシンプルな部分に個の飛躍の可能性が残されていることが判明した。まずは自分からだろう。
とは言え、本田、長友、香川トライアングルからの崩しが再確認されたことに安堵したプレーだった。
岡崎懸命のポストプレー
前半21分37秒、吉田が前線に大きくフィード。岡崎が体格で大きく上回る相手に競り勝ち、ヘッドで落とす。走り込んだ長谷部が強烈なミドルシュート。大きく枠を外すが、相手には大きな脅威を与える良い攻撃だった。岡崎は、ワントップとしてのプレーも良く理解している部分が見える。
香川・本田ホットラインの片鱗
前半23分2秒、ハーフライン付近から、香川が二人の相手選手の間を通すパスを本田に供給。本田はドリブルで持ち込み、ロングレンジからのシュート。ブレ球に見えたが、この場合には、GKがファンブルする可能性があるような、強烈さを求めたかった。シュートはGK正面を突く。
攻撃のズレ
26分58秒、内田からのファーサイドへのクロスを香川が頭で落とすが、本田追いつけず。香川と本田のイメージが微妙にずれたシーンだ。香川のイメージであれば、2の時点で本田がゴール方向に動き出していなければならなかった。
長友からのサイド攻撃と、岡崎のたくみな動き
前半30分51秒、長友のサイド攻撃からのクロスが供給される。長友の動きが活発化すると、ザックジャパンの攻撃が活性化することを予感する。今回も、クオリティの高いクロスだった。そして、岡崎の動きも素晴らしい。2で、マークについている選手をペナルティサークル方面に誘ってから飛ぶことにより、一瞬でマークを外して自らのフリーを造りだしている。結果としては、GKのセーブにあったが、得点の匂いの強いプレーだった。
ねばった先制点
41分、先制ゴールが決まった。
1)2)細貝から長谷部にパス
3)長谷部から清武
4)5)6)清武倒されるが、すぐに立ち上がり、粘って長谷部へ
7)長谷部から内田へ
8)内田がクロスを入れる
岡崎は、相手DFの股間をすり抜けたクロスボールに合わせた。ファーサイドのゴールポストを叩きながらボールはゴールに吸い込まれた。
「微妙なところでゴールできなかったり、ゴールできたりするようなプレイだったが、それをものにしたという部分で、理想的なゴールだった。」と岡崎は言う。
前半結果
日本 | 1-0 | ラトビア |
6 | シュート | 1 |
2 | GK | 5 |
0 | CK | 2 |
7 | 直接FK | 2 |
1 | 間接FK | 2 |
0 | PK | 0 |
岡崎のワントップは、ポストプレーもこなし、自ら得点をあげるなど良かったと思う。しかし、新布陣であるだけに、周りの動きにずれがあり、最小得点となった。
香川は、技術を示す部分が見え、好調そうだ。あとは、ゴールにより、より活力を得られるだろう。
本田は、ロシアリーグの休止中期間であるためか、流れのプレーの動き出しが遅れるなど、試合感不足が感じられる。また、両足ともに強烈なシュートを放つことが望まれる。
後半開始時フォーメーション
清武OUT⇒前田IN, 細貝OUT⇒遠藤INにより、後半戦が始まった。これが、従来までの最強布陣だ。2点目は、香川⇒本田のホットラインゴール
1)左サイドを香川がドリブル。本田は手を上げている
2)3)香川は、フェイントでドリブル突破の姿勢を見せDFを牽制
4)5)本田にラストパス
6)7)8)後半15分、本田はGKの位置を確認し、狙いすましたループシュート。ゴール右に決まる
このような、決定機に見せる、本田の落ち着きは流石だ。
3点目は流れるような攻撃
1)遠藤から前田に攻撃のスイッチが入る。やはり、遠藤は貴重な存在だ
2)3)前田は、一人かわして香川にパス
4)5)香川から岡崎への(黄金パターンの)裏へのスルーパス
6)岡崎が裏を取る
7)GKをかわし
8)後半16分、落ち着いてゴールに流し込む
遠藤の縦への意識は非常に重要だ。香川の技術も光る。岡崎は、(ワントップよりも)明らかに、前を向いてプレーができる右MFの方が適正がある。前田はワントップのスペシャリスト、ここでも良いつなぎのプレーで貢献している。現フォーメーションが、攻撃面では最良であることを示すゴールだった。
乾と酒井高徳と伊野波に交代カードを切る
乾はドイツで力をつけてきている。現状でも、香川トップ下のバリエーションでは、定位置を確保しつつある。酒井高徳と、伊野波には、ユーティリティ性がある。酒井高徳は、左右のサイドバックが可能で、長友をサイドハーフにした布陣で重宝する。伊野波は、センターバックとサイドバックをこなすことから、消耗戦となるようなビッグな大会では、代表に定着していて欲しい選手だ。 この中で、この試合で最もアピールしたのは乾だった。
1)ドリブルから
2)香川にパスを送ると、
3)すぐさまゴールに向かって走り
4)香川からのリターンを受けて
5)6)シュート
惜しくも代表初ゴールを逃すが、多くのプレーで、シュートで終わることが徹底されていた。
やっぱり大津は持ってる?
ザッケローニは、新しい選手をなかなか起用しない監督と言われるが、私はそうは思わない。
代表の初キャップを飾る選手は、勝ち試合でないと使えない。という、親心のようなものを持っているようだ。宮市の初招集では、最後に宮市のためのカードを残しておいたが、スコアが0-1であったことと、長友の負傷交代により、サイドバックのカードを使わざるを得なくなったということがあった。
大津の場合には、初キャップを飾るに相応しい状況ができていたことから、ザッケローニは大津のために残しておいたカードを最後に切った訳だ。
初招集で、初キャップという面で、やはり大津は持ってる?のかもしれない。
プレーにおいても、短時間であったが、二人がかりで挟まれても、パンツを引っ張られても倒れないところを見せたのは大きいだろう。「何かしてやる」という、気概はザッケローニにも伝わった筈だ。大津の代表でのポジションは、クラブに戻ってからの活躍にかかってくる。
最終結果・総括
日本 | 3-0 | ラトビア |
27 | シュート | 5 |
5 | GK | 15 |
6 | CK | 3 |
12 | 直接FK | 6 |
1 | 間接FK | 5 |
0 | PK | 0 |
試合としては、相手に全くチャンスがなかった。であるが故に、守備面の内容に欠ける記事にならざるを得ないが、この結果は、守備面の安定を裏付けるものだ。
試合の総括とすれば、3-0というスコア自体にはさしたる意味のないテストマッチだった。試したものは、岡崎のワントップと、遠藤不在時の影響と、乾の成長ぶりの確認。それと、ユーティリティプレーヤーとしての酒井高徳と、伊野波のテストだ。
テストは、総じて好結果だった。岡崎は、ポストプレーをこなしたうえに、ワントップで1得点したが、やはり前を向いてプレーできる右MFでこそ最大に生きることがわかった。遠藤出場により、攻撃のスイッチが入り、得点につながった。更に、乾は非常に積極的にシュートに持ち込み、代表の駒として定着しつつあるプレーぶりだった。酒井高徳、伊野波も無難だった。
そして、最後に大津のカードを切ることもでき、大津は、与えられた時間が少ないなりにアピールした。
以上のように考えると、概ね良好なテストマッチであったと言えるだろう。
唯一、得点はしたものの、動き出しが緩慢なプレーが見られたなど、本田の動きには微かに心配が残った。しかし、これとても、本田ならば自ずと修正してくるだろう。
2013年5月13日追記
ロシア・プレミアリーグ第28節 Lモスクワ1―4CSKAモスクワ(5月12日)、本田は約20mの相手GKが弾く強烈な右足ミドルシュートを放ち、それがゴールにつながるなど、両足で強烈なシュートを放った。このことから、2月6日のラトビア戦で本田が既にフィジカル的な問題を抱えていたことは明らかだ。
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