2011年11月15日、ザックジャパンは平壌・金日成スタジアムの北朝鮮戦に臨んだ。金日成スタジアムは、北朝鮮サポーターが一斉に旗を振り雄叫びを上げる異様な雰囲気に包まれた。
試合展開は、まさに、国民の前で敗けを見せることが許されない北朝鮮代表の闘志(というか、人生をかけているようにさえ見えた)が上回り、ザックジャパンはスピード, フィジカルともに後手に回った。
ボールを持っても厳しいプレスでサポートを受けることもままならず、苦し紛れのプレーに終始した。
日本代表は、他の世代に歴史を遡っても、北朝鮮でのアウェー戦には未勝利であるが、今回も0-1に終わり、歴史を変えることはならなかった。また、ザックジャパンの不敗記録も16(引分け6を含む)でストップした。
アジア3次予選(第5節終了時)
グループC | 試合 | 勝利 | 分け | 敗戦 | 得点 | 失点 | 勝点 |
◎ウズベキスタン | 5 | 4 | 1 | 0 | 7 | 1 | 13 |
◎日本 | 5 | 3 | 1 | 1 | 14 | 2 | 10 |
北朝鮮 | 5 | 2 | 0 | 3 | 2 | 3 | 6 |
タジキスタン | 5 | 0 | 0 | 5 | 0 | 17 | 0 |
◎は最終予選進出
【フォーメーション】
う~ん。4バックの左サイドはなぜ?と言わざるを得ない。4バックのサイドの選手には、オーバーラップが求められるが、そんなことザッケローニは判っている筈だ。成長のために、伊野波にそのプレーを求めたというなら話は判るが、真実は如何に。
今回の召集メンバーで4バックならば、普通は左サイドは駒野で右サイドは内田だろう。
川島, 吉田, 遠藤, 香川, 内田 がベンチスタートになっているが、代ってスタメンに入った選手に、この上ないアウェーの雰囲気を経験をさせる狙いだったのだろうか?
先制を許してしまったザックジャパンは、後半17分、中村憲剛OUT→内田INにより、駒野を左に移動し、より攻撃的な3-4-3にシステムチェンジした。その後、後半31分に前田OUT→ハーフナー・マイクIN, 後半40分に清武OUT→李INのベンチワークにより、状況の打開を求めた。
しかしながら、今回の試合はシステムにより結果を覆すような状況ではなかった。フィジカル,スピード,メンタルその部分の勝負に負けていてはその試合は難しくなる。
【試合動画】
【試合概要】
北朝鮮は序盤から大歓声に押されハイボールのこぼれ球を拾う作戦で猛攻撃を仕掛ける。一方のザックジャパンは異様なアウェーの雰囲気と、慣れない人工芝のピッチに戸惑い、イージーなミスを連発する。前半はシュート2本に抑えられ、一方的に攻め込まれた。
後半5分に、セットプレーから失点する。ハーフライン付近からのフリーキックに、栗原, 駒野がペナルティエリア付近で連続して競り負け、ゴールに流し込まれた。後半18分頃から3-4-3にシステムチェンジし、最終的にはハーフナー・マイク, 李を投入しパワープレーを仕掛ける布陣を取ったが、ハーフナー・マイクにクロスを集め、直接ハーフナーが決めるなり、こぼれ球を李が拾うなりの意図が見えず、パワープレーも不発に終わった。
【総評】
まさに、究極のアウェーだった。スタジアム外でも既にアウェー(入国手続など)が始まっている
だけに、試合になれば余計に選手のメンタルが試されただろう。アウェーの経験値を大きくすることが、今の代表には望まれる。
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